進学前の子どもがいる家庭なら必ず持っているおもちゃがある。自動車の形をしたおもちゃが人の形に変身したり合体する「変身自動車トボット」だ。2009年に発売されたトボットは2011年から人気が出始め、3年で600万個を売った。主要ターゲットは4~6歳の男の子だが、一緒に見る母親までトボットマニアになり、こどもの日やクリスマスには在庫不足で「トボット大乱」「トボット品切れ」を生み出した。
2009年に年間売り上げ209億ウォンにとどまったヨン実業はトボットの品切れが続出した2012年から売り上げが急成長した。2012年の売り上げは前年比55%増の542億ウォンを記録した。競合会社である日本のバンダイのパワーレンジャーの販売量を超えた数値だ。昨年は761億ウォンを達成し、レゴコリアに次いで韓国の玩具メーカー売り上げ2位になった。営業利益と純利益はレゴコリアを抜いた。低迷した玩具市場で唯一高止まりを記録している。
トボットを作ったヨン実業のハン・チャンヒ代表は数度にわたる事業の失敗がトボット成功の基盤だと話す。2002年にハン代表は24時間全日制で運営される中国の全寮制幼稚園を対象に「ロボット先生」が出てきて子どもたちを教育するテレビ番組を開発した。夕方の教師の代わりに子どもたちを教えるロボット先生を紹介すると、中国の幼稚園が購入の意向を伝えてきた。しかし折しも中国でSARSが発生して両国間の交流が困難となり事業は始める前にたたんだ。教育放送を作るために「ホールマン」という有名なキャラクターの使用権を苦労して取得したが、実際に使おうとしたらキャラクターに口がなく、お金を無駄にする笑えない失敗もあった。
ヨン実業で働きながらも失敗は続いた。「制作委員会」に代表される韓国式のアニメ制作方式のためだ。通常は放送局、投資家、玩具メーカーをはじめとする利害関係者が集まって制作委員会を作り、ここでアニメーションを制作する。この時制作委員会内の利害関係者の立場が異なり、ストーリーや製品の質、完成度が落ちる場合が多かった。アニメ、図書、文具、玩具、生活用品全般にわたり売れなければならないため、独特なキャラクターの代わりに安全な主人公を作るほかないというのも限界だ。主人公がアニメだからこそ可能な華麗な変身技術を用い玩具に適用しにくい場合もあった。
ハン代表は、「会社と協力会社に生死をかけた人は数千人。失敗はこの程度で十分と考えた」と話した。だれもが好きになる自分たちだけのキャラクターの成功が切実だった。2000年代初めから半ばにかけパワーレンジャーの人気に乗った日本のメーカーは韓国企業を無視したり無理な契約条件を提示する場合が多かった。突破口を見つけなければならなかった。
トボットはそのため生まれる時から既存の玩具とは完全に違う方式で作った。玩具メーカーであるヨン実業が資本全額を投資して進めることに決めた。毎回失敗していた「ワンソース・マルチユース」の代わりに、収益モデルを構想して玩具を作り、これを後押しするアニメを集中制作した。子どもたちがしばしば接する国産自動車をモデルにし、自動車とロボットを自由自在に変身できるようにした。
丈夫なおもちゃが作られた後にアニメにも力を入れた。特に神経を使ったのは暴力性をなくすこと。ハン代表は、「男の子たちが熱狂したパワーレンジャーやトランスフォーマーなどの変身ロボットは地球と都市を守る英雄だが、トボットは周辺の人々を助ける優しい友だちだ」と話す。健全なコンテンツと認識されてこそ保護者と子どもたちが一緒に座って見られるアニメになるという判断からだ。
韓国産ロボット「トボット」の進撃…パワーレンジャーの鼻へし折る(2)
2009年に年間売り上げ209億ウォンにとどまったヨン実業はトボットの品切れが続出した2012年から売り上げが急成長した。2012年の売り上げは前年比55%増の542億ウォンを記録した。競合会社である日本のバンダイのパワーレンジャーの販売量を超えた数値だ。昨年は761億ウォンを達成し、レゴコリアに次いで韓国の玩具メーカー売り上げ2位になった。営業利益と純利益はレゴコリアを抜いた。低迷した玩具市場で唯一高止まりを記録している。
トボットを作ったヨン実業のハン・チャンヒ代表は数度にわたる事業の失敗がトボット成功の基盤だと話す。2002年にハン代表は24時間全日制で運営される中国の全寮制幼稚園を対象に「ロボット先生」が出てきて子どもたちを教育するテレビ番組を開発した。夕方の教師の代わりに子どもたちを教えるロボット先生を紹介すると、中国の幼稚園が購入の意向を伝えてきた。しかし折しも中国でSARSが発生して両国間の交流が困難となり事業は始める前にたたんだ。教育放送を作るために「ホールマン」という有名なキャラクターの使用権を苦労して取得したが、実際に使おうとしたらキャラクターに口がなく、お金を無駄にする笑えない失敗もあった。
ヨン実業で働きながらも失敗は続いた。「制作委員会」に代表される韓国式のアニメ制作方式のためだ。通常は放送局、投資家、玩具メーカーをはじめとする利害関係者が集まって制作委員会を作り、ここでアニメーションを制作する。この時制作委員会内の利害関係者の立場が異なり、ストーリーや製品の質、完成度が落ちる場合が多かった。アニメ、図書、文具、玩具、生活用品全般にわたり売れなければならないため、独特なキャラクターの代わりに安全な主人公を作るほかないというのも限界だ。主人公がアニメだからこそ可能な華麗な変身技術を用い玩具に適用しにくい場合もあった。
ハン代表は、「会社と協力会社に生死をかけた人は数千人。失敗はこの程度で十分と考えた」と話した。だれもが好きになる自分たちだけのキャラクターの成功が切実だった。2000年代初めから半ばにかけパワーレンジャーの人気に乗った日本のメーカーは韓国企業を無視したり無理な契約条件を提示する場合が多かった。突破口を見つけなければならなかった。
トボットはそのため生まれる時から既存の玩具とは完全に違う方式で作った。玩具メーカーであるヨン実業が資本全額を投資して進めることに決めた。毎回失敗していた「ワンソース・マルチユース」の代わりに、収益モデルを構想して玩具を作り、これを後押しするアニメを集中制作した。子どもたちがしばしば接する国産自動車をモデルにし、自動車とロボットを自由自在に変身できるようにした。
丈夫なおもちゃが作られた後にアニメにも力を入れた。特に神経を使ったのは暴力性をなくすこと。ハン代表は、「男の子たちが熱狂したパワーレンジャーやトランスフォーマーなどの変身ロボットは地球と都市を守る英雄だが、トボットは周辺の人々を助ける優しい友だちだ」と話す。健全なコンテンツと認識されてこそ保護者と子どもたちが一緒に座って見られるアニメになるという判断からだ。
韓国産ロボット「トボット」の進撃…パワーレンジャーの鼻へし折る(2)
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