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【時視各角】シンクホールを発見、「天幸」だ=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
天幸。李舜臣(イ・スンシン)将軍の『乱中日記』の中で、丁酉年の鳴梁海戦当時の記録で唯一目についた単語だ。将軍は、難しい峠を越えればこれを天幸といった。日記の9月4日付には「北風が吹いた。船をかろうじて保全した。天幸だ」と書いていた。戦闘当日の9月16日には敵をはね除けたことを「天幸」だといった。ところが8月から記録されていた日記で良いことはこの2つだけ。将軍は腹痛・下痢・嘔吐に苦しみ、ある民が牛を盗んだ後に「外敵が攻め込んだ」と流言を出して民心を惑わし、大将は逃げ、激しい北風が吹いて天幸で守った船を飲み込んで…。試練と苦難の毎日だった。それでも「天も見放されぬよう」といった望みは一言もない。ただ天幸に感謝して馬鹿正直に敵を防いだだけだ。

不運の中にも天幸を見出した将軍ならば、「天幸だな」と思ったであろう場面がある。石村(ソクチョン)洞の地下車道の下から長さ80メートル、深さ4.2メートル、幅5~8メートルに達する空洞を発見したことだ。これは地下車道の入口に現れたシンクホールのために行った調査で発見された。ややもすると再び地面がへこむ惨事が起きるところだった。そのような空洞を人に被害が及ぶ前に見つけられたので「天幸」だというのだ。

しかし現実は「将軍の心」と同じではない。空洞発見後は安堵よりも非難と攻防があふれかえる。専門家たちが地下車道の下を通る地下鉄9号線の工事が原因だと目星をつけるとソウル市や施工者間の責任攻防が広がって、市民は「不安で住めない」と騒ぐ。その上、発表内容を疑うとか、ソウル市が危険を知っていながら黙認したなどと各種の陰謀説が広がる。


不安感には理由がある。ソウル松坡(ソンパ)区では最近2~3カ月の間、道路がなくなるシンクホールが6カ所もできた。そうでなくても河川近隣の敷地に高すぎる第2ロッテワールドが建てられて不安だが、周辺の地面がへこんで下がるといくらそのせいではないといっても疑わずにはいられない。しかも今年に入ってセウォル号事故、地下鉄追突事故など人間の貪欲や不注意のために大変な数の人命を失った前代未聞の安全事故を集中的に体験し、釜のフタを見るだけでも驚くことになる。



【時視各角】嚃ンクホールを発見、「天幸」だ=韓国(2)

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