ソウル市中区双林洞(チュング・サンニムドン)にあるCJ第一製糖ビルの素材事業部門事務所の様子。小さな写真はCJ第一製糖双林洞社屋の外観。(写真=ISフォト)
ソウル中部警察署によれば28日午前9時頃、ソウル中区双林洞(チュング・サンニムドン)のCJ第一製糖本社建物18階からこの会社の職員ソン氏(28)が身を投げた。建物周辺を巡回していた警備員が建物6階の屋上庭園に倒れているソン氏を発見して申告した。警察が到着した時ソン氏はすでに亡くなっていたという。警察側は「会議室の窓は、本人でなければ開きにくい構造になっている。まだ遺書などは発見されていないが他殺の跡がなく、自殺を図ったものと見ている」と明らかにした。これに対しCJ第一製糖の関係者は「会社で問題はなく、同僚も気配を全く感じられなかったという。警察の調査を見守りたい」との立場を伝えた。
CJグループの職員が自殺を図ったのは今回が初めてではない。2014年になってからでも3人の職員が投身自殺をして亡くなっている。今月初めにはCJグループの職員A氏が京畿道(キョンギド)の自宅から身を投げて死亡した。今年初めには忠清北道鎮川郡(チュンチョンブクド・ジンチョングン)にあるCJ第一製糖工場に勤めていた高校生キム君(19)も会社寮の4階屋上から飛び降りて亡くなった。当時、遺族たちはキム君が知人らに送った文字メッセージから「普段から職場の同僚に暴行を受けていて自ら命を絶ったと見られる」と主張した。
現在CJグループは国内外の投資が支障をきたしており、会社内外で状況が難しい局面にある。CJグループによれば李在賢会長の不在が1年以上続きながら今年の上半期だけで中断したり保留になったりした投資規模が4800億ウォン(約480億円)に達する。当初計画していた投資額1兆3000億ウォンの35%だ。
国内ではCJ大韓通運が今年1月、忠清地域で物流ターミナル拠点を確保するために2000億ウォンを投資しようとしたが保留となった。CJ大韓通運は昨年下半期にも米国とインドの物流企業買収を進めていたが交渉段階で保留になった。
海外事業も疲弊しているのは同じだ。今年の初め、野心的に計画したCJ CGVの海外劇場事業投資が遅れ、CJオーショッピングの海外買収合併(M&A)を通した事業拡大も保留状態だ。CJ第一製糖は生物資源事業部門を新しいグローバル成長動力としてベトナムと中国企業のM&Aを推進していたが、最終買収の直前段階で中断された。CJフードビルは韓国料理レストラン「bibigo」店舗の出展計画を暫定保留した。
「短期的に赤字を甘受しなければならない海外市場の開拓や大規模M&Aなどに対する意思決定は、李会長だけができるが、李会長が昨年7月に拘束されて以降、憂慮していた経営空白の後遺症が深刻化している」というのがCJグループの話だ。
このようにCEOの経営空白の余波が深刻化する中で、職員の相次ぐ投身自殺によって会社内も落ち着かない雰囲気だ。これに関してある職員は「会長の不在で危機感が高まっている中で、職員の投身自殺まで重なり、職員が不安に思っている」と話した。
一方、李在賢会長は横領・背任・脱税容疑で拘束起訴され1審で懲役4年を宣告されており、2審の公判中だ。現在は健康が悪化し拘束執行停止の状態で、ソウル大学病院で治療を受けている。
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