「チョン・ソンイ・コート」を着た女優チョン・ジヒョン
3月20日の規制改革徹底討論で、朴槿恵(パク・クネ)大統領はいわゆる「チョン・ソンイ・コート」問題に言及した。ドラマ『星から来たあなた』が中国で大ヒットすると、韓国オンラインショッピングモールには女主人公チョン・ソンイ(チョン・ジヒョン)が着たコートを買おうとする中国人が殺到した。しかしその多くが複雑なオンライン決済システムのため購買をあきらめたという。この日以降、チョン・ソンイ・コートは規制改革のキーワードに浮上した。
24日、朴大統領はこの問題をまた取り上げた。「規定は改正されたが、ほとんどのカード会社が公認証明書を要求し、現場で変化を感じられない」という指摘だった。文書上の規制は消えたが“体感規制”は変わっていないということだった。
大統領が2度もチョン・ソンイ・コートに言及すると、金融委員会は慌ただしく動いた。クレジットカード会社の担当役員と社長団が次々と呼ばれた。そして28日、「電子商取引決済簡便化案」が出てきた。過去4カ月間、どのようなことがあり、こうした状況になったのか。
徹底討論が行われた直後、政府はまず解決課題を挙げた。チョン・ソンイ・コートが象徴する公認証明書、アクティブXなど複雑なオンライン決済問題が含まれたのは当然だ。続いて2カ月後、金融委員会は「公認証明書義務使用」規定をなくした。インターネットショッピングで30万ウォン(約3万円)以上購入する際、公認証明書を必ず使用することになっていた「電子金融監督規定施行細則」を改正したのだ。“爪の下のトゲ”は一瀉千里に消えたようだった。
しかし規制をなくしたにもかかわらず、公認証明書は消えなかった。ほとんどのオンラインショッピングモールは依然として30万ウォン以上の取引で公認証明書を要求した。規制をなくしただけで、活用するかどうかは業界に任せたからだ。業界が公認証明書を放棄できないのは代案がなかったからだ。公認証明書に代わる認証技術は開発段階だった。LG CNSの「Mpay(エムペイ)」が今月11日、初めて金融監督院の審査を通過した。金融監督院の関係者は「公認証明書は民間の技術が足りない時に政府が標準を定めたものだが、これがむしろ他の技術の発達を防いだ」と述べた。
規制緩和も「体感規制」は変わらず=韓国(2)
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