陣列館の内部の全体的な姿や雰囲気は中国のあちこちにある抗日戦争記念館とは全く違っていた。記者の予想とは違い、日本の蛮行を強調して反日感情を刺激するような展示物や苦難を乗り越えて中国の復興を強調する宣伝物は特に目につかなかった。代わりに歴史的事実を基に、戦争の経過と意味を説明する展示物と遺物が多かった。当時の艦船の模型前に立った団体観覧客に、ある旅行ガイドがこのように説明していた。

「清国はアジア最強の鉄甲戦艦・済遠艦を保有してその戦力は日本に遅れをとらなかったのに敗戦した理由は何でしょうか。それは当時の清朝が腐敗していたためです。実権者の西太后は頤和園の増築工事に予算を使い果たしたために丈夫な大砲に装着された砲弾はきちんと使われませんでしたす」。

劉公島で最も高い場所にある砲台には当時の北洋艦隊を守った大砲が復元されていた。管理人とおぼしき人に「なぜこういう立派な大砲があったのに敗れたのか」と尋ねたところ、彼は「昔も今も問題は腐敗ではないだろうか」と答えた。


日清戦争１２０周年を迎える中国社会全般の雰囲気は比較的物静かな方だ。習近平主席が参加した中で大々的に行われた７日の盧溝橋事件記念日と違い、日清戦争１２０周年記念日は、盛大な反日行事よりも静かに敗戦の原因を再確認して、過ぎた日の誤ちを繰り返さないでおこうという覚悟を固める方向に流れている雰囲気だ。

中国軍の機関紙である開放軍報は、年初から始めた連載記事を通じて戦力が優勢だという評価を受けていた中国がなぜ敗戦したかを専門家たちの分析を通じて解明していた。王副院長が要約した結論はこうだ。「中国は敵をあまりに知らなかった。清朝で李鴻章だけが日本の脅威を警告したが、１人では力不足だった。清国は政治腐敗によって、あるべき力さえ１つに結集できなかった。国家総動員体制の日本に勝つことができなかったのは当然の結論だった」。そして彼はこのように付け加えた。

「苦難の歴史を忘却すれば中国の夢もない」。



「腐敗のせいで戦争に負けた」…日本に奪われた大砲展示した中国（１）