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<韓国列車衝突>衝突の瞬間に轟音…5階建てのビルが揺れた

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
どこかから耳をつんざく轟音が聞こえた。その瞬間5階建てのビルが左右に揺れた。このビルの2階で講義をしていた予備校講師のユン・ジェヨンさんはすぐに窓を開けた。予備校の向かい側は太白(テベク)駅と文曲(ムンゴク)駅を結ぶ線路だった。

線路上には正面衝突した2本の列車が見えた。人々が次々と列車の外に脱出していた。一部は割れた窓の間から抜け出した。数人は頭から血を流していた。事故列車からどうにか脱出した乗客はふらつきながら線路の外に避難した。線路の後方にはアパート団地があった。アパートの住民数十人が一斉にベランダの窓を開け線路側を眺めた。駆けつける救急車のサイレンの音が近づいていた。

22日午後5時50分ごろ、江原道(カンウォンド)太白市で列車2本が正面衝突した。1本はソウル・清涼里(チョンリャンリ)駅から江陵(カンルン)に向かう6両編成のムグンファ号、もう1本は忠清北道提川(チュンチョンブクド・チェチョン)とソウルを結ぶ4両編成の観光列車「Oトレイン」だった。Oトレインは江原道(カンウォンド)、忠清北道、慶尚北道(キョンサンブクド)の韓国中部内陸3道を回る循環列車だ。ムグンファ号には乗員乗客67人、Oトレインには43人が乗っていた。


ムグンファ号は事故直前に文曲駅から約1キロメートル離れたところで信号待ちしていた。線路が単線のため反対側から来る列車がないという信号が点灯した後に駅に進入できるためだ。ところがこの時、反対側からOトレインが突然近づいてきた。時速は約15キロメートルだった。

Oトレインを発見したムグンファ号の機関士は警笛を繰り返し鳴らした。だが、Oトレインはスピードを下げずにムグンファ号と正面からぶつかった。事故当時近くの建築会社事務室にいた人は「爆弾が落ちたか地震が起きたような感じだった」と伝えた。

衝突直後に乗客80人余りは落ち着いて列車の外に脱出し線路の外に待避した。

衝突により体をぶつけたのか肩や足をさする乗客もいた。事故直後に線路を外れた客車内では一部の乗客が脱出できず一時閉じ込められたりもした。ムグンファ号とOトレインとも客車1両ずつが線路から逸脱しやや傾いた状態だった。一部の乗客は傾いた車内から窓を割って脱出を試みた。Oトレインに乗っていた乗客は、「ドーンという音とともに体が前につんのめり、いすなどにぶつかってしばらく気を失った」と話した。

この日の事故発生から2~3分で救急車19台と消防車17台が現場に駆け付けた。線路の外で待っていた乗客は救急車に乗せられ周辺の病院に搬送された。

この日の事故でOトレインに乗っていた77歳の女性が死亡した。ムグンファ号とOトレインの乗客110人のうち重傷者は4人、軽傷者は87人となっている。機関士1人も重傷を負った。国土交通部は事故直後の午後6時5分ごろに世宗(セジョン)庁舎6階に中央事故収拾本部を設置した。

国土交通部は「関心」「注意」「警戒」「深刻」の4段階の危機対応段階の中で最も高い「深刻」の警報を発令した。また、航空鉄道事故調査委員会の調査官4人と鉄道安全企画団長、鉄道安全監督官5人、鉄道警察隊11人などを現地に送った。



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