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【社説】「処遇の改善を…」 ひざまずく消防官に背を向けるな=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「どうか消防官の処遇を少し改善してください」。消防官らは鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相の前でひざまずいてこう哀願した。20日、セウォル号収拾任務中に殉職した江原(カンウォン)消防本部所属の消防官5人の合同焼香所であったことだ。鄭首相は消防官らを慰労しながら「どういうことかはよく分かった」と短く答えた後、焼香所を去った。消防官の処遇改善要求は昨今のことではない。消防官が殉職する度にこうした要求が出ていたし、政府も処遇の改善を約束した。

しかし大韓民国の消防官の勤務環境は先進国に比べて依然として劣るうえ、国内の他の公職に比べても劣悪な方だ。全国消防公務員は2013年基準で3万9500人。消防官1人あたりの担当住民数は約1300人で、700-900人の米国・日本に比べてはるかに多い。地域偏差が大きいのも問題だ。住民数が急増する京畿道の新都市の場合、消防官1人が2000人近い住民を担当する。江原道では一つの消防署がソウル市の面積の数倍の地域を管轄するケースもある。

消防装備規則によると、消防隊員は防火服・安全靴・安全手袋・防火頭巾をそれぞれ2つずつ保有しなければならない。しかし多くの地域がこの基準に達していない。古い装備さえも取り替えられない。消防車の老朽率は忠清南道(37%)・江原(32%)・全羅南道(28%)の順であり、道地域であるほど高い。一日3交代勤務が原則だが、人材が不足する地域は依然として2交代だ。


鄭首相が「よく分かった」と短く答えた理由がある。国の財政を考えれば、処遇を直ちに画期的に変えるのは難しいだろう。しかし他の予算を減らしてでも基礎装備はそろえ、3交代勤務程度は守らなければならない。地域別の装備・人員・手当の偏差を解消する案も講じる必要がある。国の財政がいくら厳しくても、命がけで市民の生命を救う公務員に最小限の配慮はするべきだ。



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