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【社説】乗客を愚弄する国土部の直行バス「立ち乗り禁止」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
首都圏の直行座席バスの立ち乗りが禁止された16日、国土交通部は「利用客の積極的な協力で、立ち乗り対策が全般的に円滑に施行された」と評価した。

だがインターネットやSNSには、出勤時間にバスに乗れずに遅刻した京畿(キョンギ)・仁川(インチョン)地域の住民たちからの非難があふれている。

世論が悪くなると国土部は、モニタリングの結果で混雑度が高かった路線を中心に出勤型の急行バスを拡充するなどの補完計画を出した。17日午後には首都圏の地方自治体担当局長や専門家、市民団体が参加した中で補完対策を協議するとして、後になって騒ぎ立てた。


直行バスの立ち乗り禁止は1981年の道路交通法に含まれた条項だ。しかし利用者が多い通勤時間には立ち乗りを慣行的に黙認してきた。そうするうちにセウォル号事故後、政府が法規を厳格に適用すると乗り出したのだ。

利用者の安全のために自動車専用道路を走る直行バスの立ち乗りを禁止するのは当然のことだ。

問題は、住民らに予想される不便を考慮せずに押しつけたというところにある。事実、高速道路の出入り口に近い地域の住民たちは直行バスに乗れば出勤時間には常に立っていなければならない。足が痛くなる思いをして隣の人とぶつかる不便さを甘受しながら直行バスに乗る理由は、地下鉄などの代替手段がないとか、あったとしても時間がさらにかかるためだ。政府はソウル・京畿・仁川の直行バス路線に222台を増車することを補完対策だとして出した。だが、この程度では出勤時間に集まる利用者の数には耐えられない。首都圏直行バスの交通カード利用内訳だけを分析しても、このように対策なしに立ち乗り禁止を全面施行することはできなかっただろう。

通勤時のバス増車も根本対策にはならない。通勤時間を除けば利用客が少なく、バス会社が赤字を見ることは明らかで、その赤字は結局、税金で埋めなければならないためだ。また通勤時間の交通混雑はさらに深刻になるだろう。大学の授業が始まれば首都圏では交通大乱が起きるだろう。

セウォル号事故後、安全に対する認識が高まった。韓国社会の安全水準を強化しなければならないが、分析や検討なしに拙速に政策を出してはいけない。常に拙速行政は別の問題点とリスクを生むことになる。



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