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【時論】恥ずべき憲法記念日、再び憲法教育から始めよう(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
今年の憲法記念日を迎える感情は、誇らしいというよりもみじめな思いだ。人間の命が何より尊いという憲法の根本価値を無残に壊したセウォル号事件がまだ胸に突き刺さっているためだ。韓国の憲法第10条は「国民は人間としての尊厳と価値を持つ」と規定している。また憲法第34条と10条には「国家は災害を予防して、その危険から国民を保護する」と明示されている。ところがこの憲法条項が、セウォル号とともに海に沈んでしまったのだ。

韓国の憲法は人間の尊厳性を最高価値として前面に出している。しかしセウォル号事件でこの憲法価値は徹底的に踏みにじられた。セウォル号の船長は大切な生命を見捨てて自身だけ先に船外に脱出した。惨事の背景には人間の命よりも利益を優先させようとする構造的な不正があった。国家は事故初期から無気力な姿で結局、国民の生命を守れなかった。

変造書類を見て運航許可を出し、船舶の安全検査もいい加減に行い、救助のための直接交信さえ試みないなど今回広がった状況を見れば、彼らが人間の生命をどれほど軽く見ていたらこの有り様に至ったのかと怒りが込み上げてくる。


セウォル号惨事の構造的要因として指摘されているいわゆる「官僚マフィア」問題も、憲法の精神を破ったものだ。憲法第7条は「公務員は国民全体に対する奉仕者であり、国民に対して責任を負う」と規定している。この条項は、公務員たちにどこの誰かの利益のためだけに活動してはならず、国民の奉仕者として公正な公務遂行を命令するものだ。もし公務員が不正の請託を受けて業務を公正に遂行しないのであれば、これは憲法第7条を破るものだ。

このように憲法は、細かい日常のことに至るまで根本的な指針を与えている。ところがセウォル号事件では、憲法精神が徹底して蹂躪(じゅうりん)された。セウォル号の船主・船長・船員はもちろん関連公務員たちの頭の中には、最初から憲法的な価値が入力されてもいなかったのかもしれない。憲法の価値と秩序が彼らに刻印されていたら、惨事を防ぐか、少なくとも被害を最大限に抑えることができただろう。憲法学者として今回の憲法記念日が恥ずかしく感じられる理由だ。

セウォル号事故が起きて3カ月が過ぎたが、特に変わったことはない。それでもひたすら怒りと悲しみだけに明けくれるわけにはいかない。

新たに立ちあがって国家を改造するには、今でも憲法の価値と秩序を守るようにする憲法意識の再認識と拡散が必要だ。



【時論】恥ずべき憲法記念日、再び憲法教育から始めよう(2)

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