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【取材日記】脱営兵のイム兵長に同情する韓国社会は正常か

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「この世のどこでも、いじめは正当化されない…。犠牲者にひたすら同情することはできない」。

第22師団GOP(一般前哨)銃乱射事件と関連し、有名インターネットサイトに書き込まれたコメントだ。このコメントに対し、「推薦」は318件、「反対」は13件だ。

このコメントに対する意見130件も状況は似ている。「事実なら、死傷者には申し訳ないが同情はできない。自らの行いに利子が付いて返ってきたケースだ」(推薦181件、反対16件)。


イム兵長を叱責する内容は特に呼応を得られなかった。「いくらそうとはいえ殺人は許されない。しかも5人も…」(推薦26件、反対31件)

銃を撃ったイム兵長は被害者となり、銃で撃たれた犠牲者は加害者となる逆転現象が起きている。特に1日、死亡者の名簿を見たイム兵長が「5人のうち4人は私を苦しめた人ではない」と言って嗚咽したという内容が弁護士を通じて伝えられると、同情論はさらに広がっている。

最近会った米国のある軍需企業の関係者は「我々も似た問題を経験する」と述べた。「いじめ」による学校内の銃乱射事件のことだ。彼は「いじめた学生や学校の雰囲気を問題にするよりも、犠牲者に対する哀悼が先」と述べた。

事態がこのように向かったのは、軍当局の「隠蔽」式対応も理由だ。しかし5人の弁護団を通じて伝えられるイム兵長の陳述がそのまま報道され、同情世論に影響を与えているのも事実だ。

では、イム兵長の陳述は「真実」だろうか。イム兵長は事件当時、勤務交代をしながら「何かを置いてきた」と言って哨所の方へ行った。そして自分を待っていた7人の同僚に向かって手りゅう弾を投げつけ、銃を乱射して3人を死亡させた。陳述通り死亡者のうち1人だけが自分を苦しめたのなら、イム兵長は関係のない2人に向けて手しゅう弾を投げたということだ。

いじめの加害者も変わっている。軍の調査団によると、イム兵長は当初、「一等兵が無視した」と述べていた。しかし現在、イム兵長の弁護士は「ある幹部が最も苦しめた」と言葉を変えている。

イム兵長を刺激したという勤務日誌の絵には、イム兵長だけでなく、「アンパンマン」など他の兵士を戯画化した絵も多い。部隊員が自分を無視していじめたことに憤怒し、銃撃を加えたというイム兵長の陳述が事実であっても、5人を殺して7人に傷害を負わせた行為が、いじめ問題で薄められたり正当化されることはできない。

「気分が悪く、疎外感を感じたからといって、5人も殺害することに理解を示せば、我々の社会には第2,第3のイム兵長が引き続き出てくるしかないのでは…」というある法曹人の嘆きが長い余韻として残る理由だ。

ユ・ソンウン政治国際部門記者



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