セウォル号惨事を機にこれまで前だけを見て走ってきた韓国の姿勢を、総体的に振り返って反すうする省察の場をつくるべきだという雰囲気が社会的に広がっている。政府や公共機関、企業はもちろん個人さえも公正性を確保しようと努力するよりは量的な成長だけを追求した結果、そのような惨事が発生したと見ているためだ。しかし何より最も大きな原因は、企業と個人の貪欲さを監督・管理しなければならない政府と公共機関が自らの役割を果たすことができなかったところにあったといえるが、まさにこの点において「国家改造」の必要性が台頭している。

こうした必要に応じて朴槿恵（パク・クネ）大統領は、これまで積み重なってきたすべての積弊をえぐり取るとして、国家安全処の新設などを骨子とする政府組織改編案を国会に提出し、与党は代表演説を通じて大韓民国の大変革を成し遂げるために国会に国家改革特別委員会を設置しようと提案した。責任の所在の糾明が優先されるべきとの立場ではある野党も「国家改造」が必要だという点については認識を共にし、近くこの問題をめぐって国会レベルで激しい議論が展開されると予想される。

しかしここで１つ疑問を感じるのは、これまでの振舞いから見ると現国会が果たして積弊をえぐり取って大韓民国の大変革を成し遂げられるほど堅実な議論構造を備えているかという点だ。恩着せがましい行動にとどまっていた国会議員の特権放棄は別にしても、「セウォル号国調特別委」さえまともに稼動できなくなっており公務員の腐敗防止のための「金英蘭（キム・ヨンラン）法」の処理どころか後半期の院構成も出来ずにいる現実がこれを如実に表わしているためだ。


国会を眺める国民の見方がこうなのだから、国会が「国家改造」に関する議論を始める前に必ずすべきことがあると思う。手術室に入る前に医師が自分の身を清潔にするように、国会自ら直す点はないのかこの機会に点検すべきだということだ。なぜなら管理監督業務を疎かにした政府のために社会全般に積弊がたまったとすれば、政府を監視して牽制する業務を怠った国会もやはりその責任から逃れられないからだ。

政府がすべき仕事をしっかりせず社会に弊害が積み重なったとすれば、政府監督業務が主な機能の１つである国会は、積弊を生んだ政府を放置していた責任を負わなければならないのは明らかだ。したがって国会で行われる「国家改造」議論が国民の信頼を得るためには、そうした議論に先立ち国会が率先垂範して自身の改造を行わなければならないと考える。



【中央時評】今の国会では「国家改造」絶対にできない＝韓国（２）