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「電子ブック、日米では活性化…韓国でも出版界飛躍の契機に」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イエス24の常務兼最高運営責任者のキム・ソクファン氏が、自ら開発に関与した7インチ高解像度(HD)カラー電子ブック機器「クレマ1」を紹介している。

今年4月に英ロンドンブックフェアの関連行事として開かれた「デジタルマインズカンファレンス」。世界から集まった約100人の出版関係者は、韓国から来た男性の話を熱心にメモしていた。

この男性は「情報技術(IT)が進んだ韓国の消費者はスマートフォンやタブレットに慣れて、むしろ電子ブックには不便さを感じる」とし「従来とは違う多様な電子ブックデバイスを活用する案を用意する必要がある」と強調した。また、視力が良くない人が眼鏡をかけなくても電子ブックを鮮明に読むことができる「ソフトウェアメガネ」機能などを紹介した。

講演の主人公はイエス24の常務兼最高運営責任者(COO)、キム・ソクファン氏(41)。キム氏は最近、7インチ高解像度(HD)カラー電子ブック機器「クレマ(crema)1」の開発を主導するなど、韓国電子ブック市場を先導する人物の一人だ。


キム氏は12日、「米国ではベストセラー上位100位の半分ほどが電子ブックであり、日本も電子ブックデバイスが200万台以上売れた」とし「韓国でも近い将来、出版市場のパラダイムが紙の本から電子ブックに移るだろう」と話した。10年ほど前にインターネットが図書の流通・販売形態に変化をもたらしたとすれば、今は電子ブックが本を読んで消費する方式自体を変えていくという意味だ。

キム氏は「韓国でも小学生の必読書エディション、朴景利(パク・キョンリ)エディション、旅行ミニエディションなど名作・人気書籍などを集めて安い価格で出した電子ブックが人気を呼び、主な新刊も電子ブックで発行しながら、電子ブックを買って読む比率は高まっている」と説明した。また「今後、電子教科書が採択され、幼い世代がこれに慣れれば、電子ブックで古典を読むのが日常化するだろう」という見方を示した。

しかし国内の読書人口が減っている状況で、電子ブックに対して悲観的な見方をする人も少なくない。これに関しキム氏は「読書率は結局、国家競争力につながるという点で、韓国の読書人口が今後も減り続けるとは思わない」とし「むしろ電子ブックがデジタルコンテンツの消費に慣れている韓国人の読書率を高め、韓国の出版界に第2の飛躍期を開いてくれるだろう」と予想した。

キム氏はイエス24の親会社、ハンセイエス24ホールディングスの金東寧(キム・ドンニョン)会長の長男。親会社の根幹がファッション業であるため、キム氏もファッション企業アイスタイル24で経営者としての第一歩を踏み出した。

キム氏は「ファッションと本が全く違うように見えるが、流通システムが重要であり、市場のトレンドを読み取り、消費者の目で見なければいけないという点で共通点が多い」と話した。実際、「クレマ1」本体の曲線、下側の茶色い革などファッションを取り入れたデザインが好評を得ているという。

キム氏が考えるイエス24の未来は総合コンテンツ流通企業だ。公演・映画・音盤のようにオンラインで流通可能なすべてのコンテンツを一つにするという戦略だ。すでに大邱(テグ)に第2物流センターを竣工し、南部圏まで当日配送システムを構築するなど、伝統的な流通網もさらに強化した。

キム氏は「韓流が世界的に人気を集め、文化商品を中心にイエス24を利用する外国人顧客が増えている」とし「ベトナム・インドネシアなどでのオンラインショッピングモールも成果が出ているだけに、今後、国際舞台でアマゾンと競争してみたい」と語った。



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