先月30日午後4時、仁川市甕津郡の延坪島(ヨンピョンド)北側の望郷展望台。望遠鏡をのぞいてみると、3キロほど離れた北朝鮮のソク島周辺の海に漁船100隻が並んでいる。ワタリガニ漁をする中国船だ。位置上では西海(ソヘ、黄海)NLL北側の北朝鮮水域。
延坪島のキム・ソンシクさん(53)は「昨年までは多くて数十隻だったが今年は、中国ワタリガニ漁が100隻を超えている」と話した。キムさんは「NLL北側にいるが、南側に越えてくることも少なくない」と語った。延坪島から500メートルの距離の韓国水域でも、中国国旗の五星紅旗をつけた漁船2隻が目撃された。しかし海洋警察の取締船はなかった。
西海5島の海上で中国不法ワタリガニ漁船が増えている。旅客船「セウォル号」救助・捜索作業に海洋警察の人員と装備が投入され、取り締まりが減ったうえ、北朝鮮がNLL南側の韓国水域に対する操業権まで中国に譲ったからだ。
延坪島の漁民によると、韓国の海に入ってワタリガニ漁をする中国漁船は、セウォル号事故直後の4月下旬から急激に増えた。しかし海洋警察は取り締まりの装備と人手が足りないのが実情だ。海洋警察が保有中の1000トン級以上の警備艦12隻のうち7隻が現在、セウォル号の救助・捜索のため全羅南道珍島海域にある。1000トン級以上の警備艦は特攻隊員を乗せるゴムボート(高速短艇)を載せ、不法漁業の取り締まりを指揮する艦艇だ。また、仁川海洋警察署の場合、不法操業漁船に乗り込んで取り締まる特攻隊員36人のうち29人がセウォル号救助・捜索作業に投入された。
こうしたスキをついて多くの中国漁船がワタリガニ漁をしている。しかし海洋警察の取り締まり実績は前年に比べ大きく落ちた。セウォル号が沈没した4月16日から先月末まで、西海5島の海上で拿捕したのは10余隻。昨年の同じ期間は41隻だった。イ・ジング延坪ワタリガニ漁船船主協会長(55)は「海洋警察が現れれば、中国漁船は遠くまで逃げず北の水域などで待機し、海洋警察がいなくなれば韓国側の深いところまでまた入ったりする」と伝えた。
今年は豊漁で、違法操業にもかかわらず延坪島をはじめとする西海5島の漁獲量は増えた。甕津郡によると、4月から先月27日までワタリガニの漁獲量は237トン。前年同期の133トンに比べ78%増えた。漁業関係者は「中国船がなければ3倍にはなっていたはず」と話している。
漁民には今年より来年以降が心配だ。北朝鮮がNLL南側まで中国に操業権を売った影響が来年から出てくるとみられる。北朝鮮が操業権を売った延坪島近隣の海は、実際、国内の漁民がワタリガニ漁をしてはならないところだ。北朝鮮の挑発などを懸念し、漁船が出入りできない漁労統制地域に定めている。キム・ジェヒョンさん(76)は「ここで操業をしなかったので産卵地が形成され、付近の他の海で豊漁となった」とし「操業権を買ったという理由で中国漁船がこの地域のワタリガニを大量に漁獲すれば、今後、周辺の海にも影響が出るだろう」と話した。
◆西海5島はワタリガニ豊漁=西海5島ではワタリガニが豊漁だが、西海全体では平年並みという。国立水産科学院西海水産研究所のイム・ヤンジェ博士は「今年は水温が高く、ワタリガニが例年に比べて北上している」とし「このため南側は相対的に漁獲量が少なく、北側の西海5島近隣は豊漁となっている」と説明した。全般的にはワタリガニ漁が平年水準であり、ワタリガニの価格は落ちていない。甕津水産協同組合によると、先週末のワタリガニ競売価格は平年並みの1キロ(雌基準)あたり2万-3万ウォン(約2000円ー3000円)だった。
延坪島のキム・ソンシクさん(53)は「昨年までは多くて数十隻だったが今年は、中国ワタリガニ漁が100隻を超えている」と話した。キムさんは「NLL北側にいるが、南側に越えてくることも少なくない」と語った。延坪島から500メートルの距離の韓国水域でも、中国国旗の五星紅旗をつけた漁船2隻が目撃された。しかし海洋警察の取締船はなかった。
西海5島の海上で中国不法ワタリガニ漁船が増えている。旅客船「セウォル号」救助・捜索作業に海洋警察の人員と装備が投入され、取り締まりが減ったうえ、北朝鮮がNLL南側の韓国水域に対する操業権まで中国に譲ったからだ。
延坪島の漁民によると、韓国の海に入ってワタリガニ漁をする中国漁船は、セウォル号事故直後の4月下旬から急激に増えた。しかし海洋警察は取り締まりの装備と人手が足りないのが実情だ。海洋警察が保有中の1000トン級以上の警備艦12隻のうち7隻が現在、セウォル号の救助・捜索のため全羅南道珍島海域にある。1000トン級以上の警備艦は特攻隊員を乗せるゴムボート(高速短艇)を載せ、不法漁業の取り締まりを指揮する艦艇だ。また、仁川海洋警察署の場合、不法操業漁船に乗り込んで取り締まる特攻隊員36人のうち29人がセウォル号救助・捜索作業に投入された。
こうしたスキをついて多くの中国漁船がワタリガニ漁をしている。しかし海洋警察の取り締まり実績は前年に比べ大きく落ちた。セウォル号が沈没した4月16日から先月末まで、西海5島の海上で拿捕したのは10余隻。昨年の同じ期間は41隻だった。イ・ジング延坪ワタリガニ漁船船主協会長(55)は「海洋警察が現れれば、中国漁船は遠くまで逃げず北の水域などで待機し、海洋警察がいなくなれば韓国側の深いところまでまた入ったりする」と伝えた。
今年は豊漁で、違法操業にもかかわらず延坪島をはじめとする西海5島の漁獲量は増えた。甕津郡によると、4月から先月27日までワタリガニの漁獲量は237トン。前年同期の133トンに比べ78%増えた。漁業関係者は「中国船がなければ3倍にはなっていたはず」と話している。
漁民には今年より来年以降が心配だ。北朝鮮がNLL南側まで中国に操業権を売った影響が来年から出てくるとみられる。北朝鮮が操業権を売った延坪島近隣の海は、実際、国内の漁民がワタリガニ漁をしてはならないところだ。北朝鮮の挑発などを懸念し、漁船が出入りできない漁労統制地域に定めている。キム・ジェヒョンさん(76)は「ここで操業をしなかったので産卵地が形成され、付近の他の海で豊漁となった」とし「操業権を買ったという理由で中国漁船がこの地域のワタリガニを大量に漁獲すれば、今後、周辺の海にも影響が出るだろう」と話した。
◆西海5島はワタリガニ豊漁=西海5島ではワタリガニが豊漁だが、西海全体では平年並みという。国立水産科学院西海水産研究所のイム・ヤンジェ博士は「今年は水温が高く、ワタリガニが例年に比べて北上している」とし「このため南側は相対的に漁獲量が少なく、北側の西海5島近隣は豊漁となっている」と説明した。全般的にはワタリガニ漁が平年水準であり、ワタリガニの価格は落ちていない。甕津水産協同組合によると、先週末のワタリガニ競売価格は平年並みの1キロ(雌基準)あたり2万-3万ウォン(約2000円ー3000円)だった。
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