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【社説】朴大統領、絶対に急いではならない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
指導者や政権は、危機の時に真の姿があらわれる。朴槿恵(パク・クネ)大統領の長所は、危機に強いということだ。1979年10月、当時の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が殺害された時に令夫人の役割を果たした彼女は落ち着いて休戦ラインの状況を取りまとめた。2004年ハンナラ党が崖っぷちに立った総選挙の時も、2005年カッターナイフのテロにあっても、2008年自身の勢力が「公薦虐殺」にあっても動揺しなかった。こうした底力は就任後も続いた。北朝鮮が開城(ケソン)工業団地を閉鎖した時、大統領は断固たる対処で北を屈服させた。

そんな朴大統領が、セウォル号事件では揺らいでいる。追われて、急いでいる。代表的なのが政府組織の改編だ。これは政府の枠組みを変えることなので、国政と公務員社会に及ぼす影響が非常に大きい。議論が多い立法事案なので改編時ごとに国家の多くのエネルギーを消耗したりもする。昨年初めに政権がスタートした時、韓国社会はこれをありありと経験した。政府改編は十分な時間をかけて正確な意見の取りまとめと分析を経なければならない。先進国は専門的な委員会を構成したり、議会による長い時間の協議を経たりする。

セウォル号惨事から1カ月余りが過ぎた19日、朴大統領は談話を発表したが、組織改編が主な内容だった。大統領は主な方向だけを明らかにして、具体的な内容は専門的な研究に任せなければならなかった。ところが変わったり新設されたりする個別組織を断定してしまった。混乱と葛藤はこの時に予想された。


憂慮した通り、混線が生まれた。行政革新処の新設と安全行政部の改編は10日もたたないうちに名前と内容が変わった。大統領は、談話から8日後に社会・文化分野を総括する教育副首相を新設すると言った。経済副首相を考えた形だが、経済部署は指令塔を中心に政策が調整されなければならないためケースが違う。教育・保健・環境・女性・文化はそれぞれが専門的なので「教育部長官兼副首相」が指揮するには問題が多い。非経済分野は首相が引き受けることなので、副首相ができれば“屋上屋(屋根の上の屋根=無駄なものを重ねること)”の憂慮もある。それで李明博(イ・ミョンバク)政権時に教育副首相が廃止されたのだ。そうしたものを復活させるには十分な検討がなければならないのに、この政権はさっさと急ごしらえしたものを出した。

安大熙(アン・デヒ)元首相候補者の場合も同じだ。“前官礼遇”の疑惑は簡単に検証できることだ。これをできなかったとすれば無能なことで、分かっていても押し切ったとすれば民心を知らないまでだ。前後の事情を見ると、内容を調べずにただ候補者のイメージだけを活用して危機を突破し、地方選挙に備えようとした印象を消すことはできない。

セウォル号惨事は衝撃的な事件だ。だが上手くやれば、いくらでも解決できる。国家と国民のためにも必ずそのようにすべきだ。大統領は余裕を持って考えと心を整えなければならない。過去、自身が危機をどのように突破したのかを振り返ってみる必要がある。心を開いて多くの人々と話を交わさなければならない。ここにはいつも、考えを別にする人々も当然含まれる。そうすると突破口も開かれるだろう。その程度の時間は、国民はいくらでも待てる。大統領は絶対に急いではならない。



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