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【コラム】セウォル号の主犯は市民がいない民主政治(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国民談話を発表した大統領の声は鋭かった。予想はした。33日間こらえて見せた統治者の怒りがピークに達したことを。国民の非難を一身に受けた海洋警察は一瞬にして解体された。国民の生活の責任を担う官僚たちは、自分たちの首長から犯罪組織の代名詞であるマフィアと呼ばれた。大統領が統治の構成員を「官フィア(=官僚マフィア)」と発音する瞬間、大統領自身もその陰険なニュアンスに包まれるリスクを抱えながらだ。現在、韓国の支配エリートを生産した行政考試は中断の危機を迎えている。大統領は「国家」安全処と腐敗防止法を前面に出し、「国家」改造を約束した。そして涙を見せた。弟子を探して水の中で散った先生の名前を呼びながら。

初めて接した大統領の涙は粛然たるものだった。ところが、その感動が薄れるのに長い時間はかからなかった。どういうことだろうか、この矛盾は。国家改造の雄壮な確約が国民の深い響きをかもし出せない理由は何か。こういう感じは、ただ私の鈍い感覚だけが理由ではなかった。大統領の切々たる談話にもかかわらず、執権与党の下降が反転しない結果がそれを語っている。国民の胸は悲痛だが、判断の刃はいつよりも鋭い。

国民が大統領の談話に期待したのは、セウォル号の事後処理もそうだが、その後にくる「2次衝撃」をどう治癒するかにあった。赤裸々に表れた国家の無能、それなりに頼ってきた公共の実体が空しいものだという自嘲と虚脱感を、どんな形で修正するかに注視したのだ。国民は何となく感じたはずだ。崩壊した公概念を再建する主体は公の最高管理者である「国家」ではなく、公の発源地である市民と市民社会だということを。ところが大統領の談話で、市民と市民社会は依然として見物人だ。公概念の再建にまた主役として出てきた国家のチャネルには、遺族に対する徹底した保護意志と傷ついた大衆心理の治癒問題が雑音混じりの周波数のように明瞭にとらえられなかった。


崩れた公共概念の再建は何よりも遺族に対する事後ケアが第1項でなければならなかった。集団葬をした壇園(ダンウォン)高校の周辺地域と一般人犠牲者の家庭の経済生活は荒れ、回復不可能なほど破壊されたはずだ。さらに悪夢のように離れない精神的な苦痛の泥沼を少なくとも10年間ほど通過しなければならないという点が喚起されるべきだった。経済的回復と精神的治癒の公的支援を今後数年間約束することが「公の復元」のための必須要件だ。遺族が望むのは、兪炳彦(セモユ・ビョンオン)一家の悪徳商行為を懲罰して補償金を最大限に確保するという国家の意志より、国家が自分たちを支えるという強い責務の履行だ。



【コラム】セウォル号の主犯は市民がいない民主政治(2)

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