ベトナムと領土紛争中である西沙諸島（ベトナム名ホアンサ）での中国の石油ボーリングによりベトナムで反中デモが続いており、現地で中国人の脱出ラッシュが続いている。

中国外交部は、１７日現在でベトナムに居住する中国人３０００人余りが航空便などで帰国したと明らかにした。反中デモによる中国人被害者は１７日現在で２人が死亡し１００人余りが負傷したことが確認された。しかし中国外交当局は死亡者が１０人を超えるとみて現地調査活動を継続している。暴力デモによる被害が大きくなったことを受け、ベトナムのグエン・タン・ズン首相は１７日、国民向け談話を発表し暴力デモを控えるよう訴えた。

中国の郭声コン公安部長は１７日、ベトナムのチャン・ダイ・クアン公安相と電話で会談し、「ベトナムは中国企業と中国人が被害を受けたことに対し責任を免れられず、暴力デモ参加者を必ず処罰しなければならない。今回の事件をしっかりと処理できるかできないかが協力の試験台になるだろう」と警告した。