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【社説】セウォル号1ヶ月、解けない疑問多い

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
セウォル号沈没惨事が起きてから1カ月が過ぎた。だが惨事をめぐる多くの疑問は、いまだ空回りしているようだ。セウォル号の船員の起訴が終わりではなく始まりであるのも、そのためだ。

セウォル号惨事を捜査してきた検察・警察合同捜査本部は昨日、イ・ジュンソク船長や1等航海士、機関長ら4人に不作為による殺人などの罪を適用して拘束起訴した。また残りの船員11人は遺棄致死などの罪で裁判に回した。イ船長ら4人に殺人罪を適用したことについて合同捜査本部は「乗客救助が十分に可能だったのに救護義務を果たさず乗客を死亡させた」として「未必の故意があったと見なければならない」と説明した。

今回の捜査結果を通じて沈没原因が鮮明にあらわれた。バラスト水は少なく注入され、貨物が過積載された結果、セウォル号が復原力を失った状態で急激な変針が事故につながったということだ。特に沈没過程で船員が見せた様子はとうてい納得できない。▼事故直後から避難命令が可能で▼船から降りる前まで多数の船員が宿舎などに行ってきており▼近隣に海上警察・漁船などがいて乗客救助が可能だったのに、船員は何の措置もしなかった。「被害者らが死亡しても仕方ないと容認した」という検察の発表に、文句をつけるのも難しいというのが事実だ。


しかし合同捜査本部が確認した事実は、真実に対する枯渇感をむしろ助長している。なぜ乗客に知らせないまま船員らは自分たちだけ脱出したのか。船員は「どうにかして生きなければならないという考えだけだった」と話しているという。そのような陳述では、なぜ負傷した同僚船員まで放置して退船と共に避難放送をしなかったのかが解せない。また海上警察がイ船長らを救助船に乗せながらも、なぜ船内にいた乗客を積極的に救わなかったのかは依然としてミステリーだ。来週から本格化する海上警察の捜査でこのような疑惑が解消されるかが注目されている。

沈没後に展開された不明者の捜索過程についても徹底した調査が必要だ。海軍が事故当日である先月16日にガイドラインを設置したが、本格的な船内進入は18日から行われた。大切な「ゴールデンタイム(決定的な救助時期)」を逃した原因が具体的に提示されなければ、犠牲者・不明者家族の無念さは、さらにつのるばかりだ。これに関連して絶えず浮上している海上警察と救難企業ウンディーネ・マリン・インダストリー(Undine Marine industries)の間の癒着疑惑もやはりその真偽が明らかにされなければならないだろう。

さらにセウォル号とユ・ビョンオン元セモグループ会長一家の関連性が隅々まで明らかにされなければならない。ユ元会長はセウォル号の運営会社である清海鎮(チョンヘジン)海運から給与として毎月1000万ウォン(約100万円)を受けとっていたし、役員現況表には会長と記載されていたという。またユ元会長の2人の息子は清海鎮海運の持ち株会社格であるアイワンアイホールディングスの最大株主だ。ユ元会長がセウォル号の常習過積載や船舶増築に直接関与したとか、沈没当時の報告を受けていたなどの疑惑まで提起されている。ユ元会長一家がそろって召還に応じず、検察は彼らの所在を把握できずにいる。

犠牲者・不明者家族の胸中にくすぶる恨を解きほぐし、同じ悲劇を繰り返さないためにも、事件の実体と責任の所在を明確に明らかにしなければならない。運営・沈没・捜索全般の疑惑が解けない状況では、いかなる制度的な改善策も推進力を得るのは難しい。検察だけでなく汎政府レベルで積極的に真相究明に乗り出すことを促す。



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