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<韓国旅客船沈没>捜索を助け、生業で困難に陥る漁師たち

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「昨年のこの時期は、フクロフノリ(藻類)を一日5キロずつ採って1人あたり20万ウォン(約2万円)程度稼いでいたのだが…」。

全羅南道珍島郡鳥島面(チョンラナムド・チンドグン・チョドミョン)の青年会長をつとめるチョン・スンベさん(51)は12日、こんな言葉と共にため息をついた。生業を後回しにして毎日セウォル号の犠牲者捜索やセウォル号から流出した油の除去にかかわっている現実から出てきた声だった。

珍島と鳥島周辺海域は、5月といえばウナギ・ソイ・ワタリガニや岩についたフクロノリのような藻類の収穫に忙しい時期だ。だが今年は違う。漁師たちはセウォル号が徐々に沈んでいった瞬間から救助にかかわってきた。初日に漁船が救助した乗客は70人に達する。それからほぼ1カ月。大小の漁船600隻余りが海の上を行き来し続けている。政府が水路をよく知っている漁師に不明者捜索と油防除作業を依頼したためだ。それでも燃料代や謝礼は受け取っていない。


鳥島から南西に10キロ離れた東巨次島(トンゴチャド)はセウォル号から流出した油の被害をこうむった。去冬、適当な水温のおかげで養殖ワカメが豊作になり、かなりの収入を期待していたところに油が襲ってきた。漁師のチャ・ジョンロクさん(47)氏は「沈没事故後、生業のために漁に出たり養殖場で仕事をしたりする人はいない」としながら「ワカメが豊作の年には人件費・燃料代などを除いても1億ウォン程度は稼いでいたが、今年は違うだろう」と話した。

油帯が広がらなかった島の住民たちも打撃を受けた。東巨次島から北東に5キロ離れた大馬島(テマド)がそうだ。油帯が広がったというニュースのために、近隣地域からとれた魚介類・藻類などが売れない。漁に出るのもあきらめた。大馬島の漁村の世話役キム・テヨルさん(46)は「3トンの船が出て行けば一日で100万ウォン程度を稼げる時期」として「だが昼夜を問わず不明者を捜索している中で、生計のためにと自分だけ漁場に出て行く人がどこにいるだろうか」と話した。

政府はセウォル号不明者捜索が長引く中で、こうした生業などで打撃を受けている珍島の漁師らに燃料代などをまず支援すると12日明らかにした。救助・捜索に参加した漁船の燃料代をはじめとして救助・捜索にともなう生計被害や汚染による養殖場の被害を補償するという内容だ。



【特集】韓国旅客船「セウォル」沈没事故

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