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【コラム】次期駐韓米大使、物足りなさと期待の間で

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
この頃ワシントンのシンクタンク周辺の人々に会えば、必ず聞く質問がある。次の駐韓米国大使に内定したマーク・リパート氏についての意見だ。質問を投げる意図は明らかだ。韓国政府が「申し分なく満足な人事」という立場を表明したが、それが本心なのか知りたいのだ。

それだけ今回の大使の人選は、韓国でもワシントン外交界でも話題だ。60年韓米同盟を考慮すれば歴代最年少である41歳の大使は破格だからだ。彼がオバマ米国大統領の“側近”という点も劇的効果を高める要素だ。

だが各界各層の反応を要約すれば、物足りなさと期待の2つの単語に整理されるのではないかと思う。


物足りなさは比較の領域だ。個人の能力は別にして日本・中国の大使よりも格や経験が落ちるという次元の話だ。大統領の娘キャロライン・ケネディ駐日大使、6選目の上院議員マックス・ボーカス駐中大使と比較される。大統領といつも電話をするほど近いのであれば、政権の序盤期に来るほうがより良かったのにという物足りなさも出てくる。大統領支持率が最悪に落ちた状況で、「王の男」はむしろ負担になる恐れがあるという部分だ。

その一方、期待は潜在力の領域だ。最高権力者と疎通がうまくいくというのは否めない長所だ。ジョージタウン大学のビクター・チャ教授は「どこの国でも大統領と直接連絡できる大使を望んでいる」と話した。アジア問題に特化して経歴を積み重ねた点も集中力を発揮できる要因だ。だが何よりも韓国への愛情が強烈だというのが特長点だ。今回の韓国行きも、本人が強く希望したという話が聞こえてくる。

リパート氏に何度も会ったことがあるという韓半島(朝鮮半島)専門家は「彼は原石のような存在」だと話した。それと共に、原石を加工して光る宝石にするのは韓国外交の能力にかかっていると述べた。

良く知られるようにリパート氏は国防問題に精通している。本人が海軍特殊部隊出身でもあり、国防省でアジア太平洋次官補を歴任するなど経験も積んだ。現在も国防長官秘書室長として在職中だ。こうした経歴がプラスになるのかマイナスになるのかは予見し難い。北朝鮮の挑発状況で冷静な判断ができずに本人が軍人のように行動するならば、誤った情報を量産しかねない。反対に国防専門家という点で歴代のどの駐韓大使よりも競争力を持つことができるかもしれない。北朝鮮の核とミサイルなど安保イシューは今後も韓米関係の核心になるためだ。その点で原石だと表現した専門家の指摘はその通りだと思われる。

過去の駐韓米大使は、韓国大統領にいつも会うぐらいに権力が強大だった。だが韓国の地位が高まりながら実務型の比重も大きくなった。その点で若さと情熱を備えた新しい大使は流れに符合する。こうした長所を生かして“格”の論争を抑え込むことこそ、韓国と米国いずれにとっても利益となる。そうであれば次期大使も韓国政府も、格別の努力をしなければならないだろう。

イ・サンボク米国ワシントン特派員



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