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【噴水台】朴大統領から謝罪よりも聞きたいことは…

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
先週、セウォル号事故から2週間ぶりに「国民の念願」のままに朴槿恵(パク・クネ)大統領が謝罪した。その後、連休の間には彭木(ペンモク)港と曹渓寺(チョゲサ)で再び謝罪の意を表わし、近く、代案のある謝罪をすると予告した。謝るたびに「謝罪と陳謝」(4月29日)、「無限の責任」(4日)、「安全な国を作るのことに総力」(6日)などの語彙の強度がますます高まった。

ところが国民の反応は反対に冷ややかになった。被害者の家族は批判し、世論調査では5人中3人以上が足りないと言い、メディアは誠実さを要求した。これほどになれば大統領も「どうしろと言うのか」と息苦しくなるかも知れない。

周辺の人々と話しながら、ふと思ったことが1つある。私たちが願っているのは、謝罪よりも大統領を信じたい口実を探しているかもしれないということだ。これまで大統領の言葉は「法と原則」を強調して断固としていた。しかし現実は、断固とした言葉とは違い、全くかけ離れていた。官僚らは動かなかったし、相変わらず旧態依然としていた。


それでも大統領は、少なくとも私心がなく、意地もあり、知っていながら避けることはしないという信頼があった。それだけでも過去の大統領らとは差別化されているため、不信に戻るような現実でも信頼をあきらめなかった。

その一方では不安と心配があった。大統領に私心はないが、現実と現場を知らないようだという漠然とした憂いだった。そうするうちにセウォル号事故に至ってこの漠然とした心配が恐怖になった。謝罪計画まで予告される「プロトコル(儀式)」と、原則の周囲でぐるぐる回る「修辞学」が支配する大統領のコンテンツは、疎通と共感を邪魔しているというもどかしさを感じさせる。

彭木港で「李柱栄(イ・ジュヨン)海洋水産部長官をどのようにするのか」と尋ねた家族らが聞きたかった返事は、「罪を犯した人々は徹底的に明らかにして厳罰すること」という原則論だったのだろうか。本当に気になったのは長官の去就ではなく、海水部が何を誤ったのか大統領が知っていて共感しているのか、だったのだろう。ところで大統領はまた原則論的な捜査だけを繰り返した。だから直ちにひんしゅくと反発が出てきたことを恨むことはできない。

私たちが謝罪を催促しながら確認したかったのは、大統領が「手帳の中のバーチャルリアリティ」ではない真の現実の中に根をおろした問題を知っていて、それを解決する意志と実力があるのか、であった。それでも今、大統領はセウォル号を通じて現実を悟るようになったと思う。「代案のある謝罪」では、私たちが待つ返事を聞けると期待したい。

ヤン・ソンヒ論説委員



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