「人種差別反対、私たちはみんな猿だ」（Ｓａｙ　Ｎｏ　ｔｏ　Ｒａｃｉｓｍ，　Ｗｅ　ａｒｅ　Ａｌｌ　Ｍｏｎｋｅｙｓ）。２９日（日本時間）、世界各国のサッカースターがソーシャルネットワークサービス（ＳＮＳ）にリレーで“バナナ認証ショット”を載せながら書いたコメントだ。

前日、スペインプロサッカー、バルセロナのダニエウ・アウベス（３１、ブラジル）がビジャレアル戦で見せた人種差別に対する毅然とした対処が導火線となった。バルセロナが１－２とリードされた後半３０分、ＣＫをするアウベスに向けて、ビジャレアルのファンがバナナを投げた。バナナを投げる行為は猿の鳴き声とともに欧州サッカー場でよく見られる有色人種侮蔑行為だ。

しかしアウベスは泰然とこのバナナを拾い、皮をむいて食べた。バルセロナは３－２と逆転勝ちし、アウベスは鋭いパスで２つのオウンゴールを誘う活躍を見せた。


試合後、アウベスは「人種差別をする馬鹿げた行為は笑ってやるしかない。スペインで１１年しているが、状況は変わっていない」とし「誰がバナナを投げたのかは知らないが、感謝する。より多くのクロスができるように私にエネルギーを与えてくれた」と語った。

英ＢＢＣの解説者ゲーリー・リネカー氏は「最高の対処だった」と賛辞を送った。欧州リーグでプレーするサッカースターはＳＮＳに「私たちはみんな猿だ」というコメントを共有し、アウベスの勇気ある行動に加わった。

ネイマール（２２、ブラジル）はバナナのぬいぐるみを持った息子と撮った写真とともに、４カ国語で「私たちはみんな猿」というコメントを残した。オスカル（２３）、ダビド・ルイス（２７）、ウィリアン（２６、以上ブラジル）も参加した。セルヒオ・アグエロ（２６、アルゼンチン）は女性サッカースターのマルタ（２７、ブラジル）とともにバナナを食べる写真と「私たちはみんな同じ（Ｗｅ　ａｒｅ　ａｌｌ　ｅｑｕａｌ）」というコメントを残した。２０１１年にパトリス・エブラ（３３、フランス）に「黒ん坊」と言ったルイス・スアレス（２７、ウルグアイ）までがここに加わった。

アウベスの行動はサッカー以外の分野でも大きな共感を得た。ルセフ・ブラジル大統領（６７）はＳＮＳに「アウベスがスポーツで人種差別に最も断固かつ強力なメッセージを伝えた」と書いた。ブラジルのトップモデルのアドリアナ・リマは黄色のビキニを着た写真を載せ、「今日の衣装は私の兄弟アウベスのため」とコメントを書いた。アウベスの父ドミングス・アウベスさん（６４）は「マンゴー、ココナッツ、メロン、スイカを栽培しているが、バナナも含める」と語った。

ビジャレアル球団は「バナナを投げた者をホーム球場永久入場禁止にした」と明らかにした。ゼップ・ブラッター国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）会長（７８）は「アウベスは寛容な態度を見せたが、バナナを投げる行為には怒りを感じる。ワールドカップ（Ｗ杯）では人種差別は絶対に許さない」と強調した。



人類は平等…世界スポーツ界で人種差別反対が拡散（２）