「ここにライフジャケット、1つもないです」。
「僕の分を着なよ」。
「先生たちもみな大丈夫なのか」。
27日『JTBCニュース9』が単独報道した沈没直前のセウォル号内部の動画に登場した檀園(ダンウォン)高校の生徒たちの会話の一部だ。事故で犠牲になった檀園高2年パク・スヒョン君(17)の携帯電話から発見され、パク君の父パク・ジョンデ氏が「真相究明のために」提供したこの映像は、事故の渦中でも自分より他人のことを思いやる青少年世代の気丈な姿を生き生きと見せている。船が傾く危機的状況でライフジャケットを譲るなど、自分より他人のことを先に考えて互いに助け励まし合いながら先生の安否まで心配する高校生らの姿は立派だ。乗客の責任を負わず先に脱出したという船長や船員、そして迅速かつ正しい措置を取れなかったと非難されている当局を、より一層恥じ入らせる姿だ。この優しい子供たちを、しっかり守れなかったことに伴う悔恨が、より一層重く私たちの胸を押さえつけている。この高校生たちは、私たちに生きている共同体の意識を見せてくれる。
焼香所の弔問の人波も、まだこの地で共同体意識が生きていることを示してくれた。日曜日の27日、臨時合同焼香所が整えられた安山(アンサン)オリンピック記念館へ向かう弔問行列は、雨と風の中でも1キロを超えた。弔問に訪れた市民は「犠牲になった生徒たちが私の息子・娘のような気がする」と言いながら目がしらを赤くした。国家的な不幸を前に誰彼となく全て自分のこととして感じ、1つの心で故人の御霊を慰労して、犠牲者・不明者家族らと痛みを共にする共同体の姿だ。
今回の事故で人を救ったり助けたりしようとして犠牲になった教師や生徒、乗務員らのいきさつも、共同体意識を悟らせてくれる。最後まで生徒たちの面倒をみた檀園高のナム・ユンチョル、チェ・ヘジョン先生や、ライフジャケットを友人に譲ったチョン・チャウン君、最初の申告者チェ・トクハ君、「乗務員は最後」と言いながら生徒たちを先に脱出させたパク・ジヨンさん、「今、子供たちを救いに行かなければ」と家族と最後の通話をした後に不明となった事務長ヤン・テホンさんらのことが、私たちの胸をじんとさせる。インターネットではこの中の死亡者を「義死者」に指定して賛えようという請願運動が広がっている。それだけでなく16日に沈没中だったセウォル号周辺から漁船で駆けつけて乗客を救助した近隣の漁師、珍島(チンド)で不明者家族を助けたり捜索活動を支援したりしているボランティアメンバーの献身的な活動も、韓国社会を支える共同体意識の発露に違いない。
今回の事故で、韓国社会に失望したり、心をしっかり支えられなかったりする人も少なくないだろう。「国家改造」を深刻に悩むほど、多くの問題点があらわれたのも事実だ。だが私たち皆が大韓民国という共同体の一員だという大切な共感を確認できるという事実も考えなければならない。今回の事故はあまりにも悲劇的だが、私たちは決してこのまま座り込んでいることはできない。今回確認した共同体意識を、安全な国、事故のない社会を作るエネルギーに昇華しなければならない。今後、大韓民国を人を最も大切に思う世の中、子供たちを最優先に守る社会、皆が自らすることに尽くす国としてやり直さなければならない。私たちがこの任務を尽くせなければ、今回犠牲になった方々の霊前にどうしてまともに立つことができるだろうか。
【特集】韓醍旅客船「セウォル」沈没事故
「僕の分を着なよ」。
「先生たちもみな大丈夫なのか」。
27日『JTBCニュース9』が単独報道した沈没直前のセウォル号内部の動画に登場した檀園(ダンウォン)高校の生徒たちの会話の一部だ。事故で犠牲になった檀園高2年パク・スヒョン君(17)の携帯電話から発見され、パク君の父パク・ジョンデ氏が「真相究明のために」提供したこの映像は、事故の渦中でも自分より他人のことを思いやる青少年世代の気丈な姿を生き生きと見せている。船が傾く危機的状況でライフジャケットを譲るなど、自分より他人のことを先に考えて互いに助け励まし合いながら先生の安否まで心配する高校生らの姿は立派だ。乗客の責任を負わず先に脱出したという船長や船員、そして迅速かつ正しい措置を取れなかったと非難されている当局を、より一層恥じ入らせる姿だ。この優しい子供たちを、しっかり守れなかったことに伴う悔恨が、より一層重く私たちの胸を押さえつけている。この高校生たちは、私たちに生きている共同体の意識を見せてくれる。
焼香所の弔問の人波も、まだこの地で共同体意識が生きていることを示してくれた。日曜日の27日、臨時合同焼香所が整えられた安山(アンサン)オリンピック記念館へ向かう弔問行列は、雨と風の中でも1キロを超えた。弔問に訪れた市民は「犠牲になった生徒たちが私の息子・娘のような気がする」と言いながら目がしらを赤くした。国家的な不幸を前に誰彼となく全て自分のこととして感じ、1つの心で故人の御霊を慰労して、犠牲者・不明者家族らと痛みを共にする共同体の姿だ。
今回の事故で人を救ったり助けたりしようとして犠牲になった教師や生徒、乗務員らのいきさつも、共同体意識を悟らせてくれる。最後まで生徒たちの面倒をみた檀園高のナム・ユンチョル、チェ・ヘジョン先生や、ライフジャケットを友人に譲ったチョン・チャウン君、最初の申告者チェ・トクハ君、「乗務員は最後」と言いながら生徒たちを先に脱出させたパク・ジヨンさん、「今、子供たちを救いに行かなければ」と家族と最後の通話をした後に不明となった事務長ヤン・テホンさんらのことが、私たちの胸をじんとさせる。インターネットではこの中の死亡者を「義死者」に指定して賛えようという請願運動が広がっている。それだけでなく16日に沈没中だったセウォル号周辺から漁船で駆けつけて乗客を救助した近隣の漁師、珍島(チンド)で不明者家族を助けたり捜索活動を支援したりしているボランティアメンバーの献身的な活動も、韓国社会を支える共同体意識の発露に違いない。
今回の事故で、韓国社会に失望したり、心をしっかり支えられなかったりする人も少なくないだろう。「国家改造」を深刻に悩むほど、多くの問題点があらわれたのも事実だ。だが私たち皆が大韓民国という共同体の一員だという大切な共感を確認できるという事実も考えなければならない。今回の事故はあまりにも悲劇的だが、私たちは決してこのまま座り込んでいることはできない。今回確認した共同体意識を、安全な国、事故のない社会を作るエネルギーに昇華しなければならない。今後、大韓民国を人を最も大切に思う世の中、子供たちを最優先に守る社会、皆が自らすることに尽くす国としてやり直さなければならない。私たちがこの任務を尽くせなければ、今回犠牲になった方々の霊前にどうしてまともに立つことができるだろうか。
【特集】韓醍旅客船「セウォル」沈没事故
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