25日から1泊2日の日程でソウルを訪れたオバマ米大統領の核心メッセージは「日本」だった。当初、日本だけ訪問する計画だったが、韓国の要求を受け入れて2009年の就任以降4回目の訪韓となったオバマ大統領は25日、朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談直後の共同記者会見で、「甚だしい(terrible and egregious)」という表現を使いながら慰安婦問題に言及した。
日本軍慰安婦問題はその間、米国政府レベルで何度か出てきた。クリントン前国務長官が慰安婦を「性的奴隷(sex slave)」と規定して非難して以来、米国はこれに対し「弁解の余地がない反人権犯罪」というの立場を固めた。しかしオバマ大統領が日本を経て韓国に到着した当日、公開席上で慰安婦問題を批判したのはまた別の意味を持つ。このため日本としては相当な負担を抱えることとなった。
複数の外交消息筋によると、韓米首脳は会談場所でも韓日関係について記者会見での発言と似た脈絡の議論をしたという。「過去の問題に対する韓国の立場を理解する。同時に、未来のために韓日の連携が必要ではないだろうか」というオバマ大統領に対し、「その必要性は分かるが(日本が態度を変えない限り)一方だけではどうすることもできない状況」という趣旨で朴大統領の発言があったということだ。
朴大統領は会談で▼村山・河野談話を継承する▼慰安婦被害者に対して誠意ある解決のために努力する--など、従来の日本政府の約束を誠意を持って実践することが重要だという趣旨で発言し、オバマ大統領もこれに理解を表したという。記者会見で出た高強度の慰安婦批判はこうした流れで理解できる。
現在、韓日関係に対する米国の懸念は非常に深刻な水準だ。昨年末、韓米関係を評価する学術会議に出席するためワシントンを訪問した元外交官は「会議の途中、米国の元国務省高官から『韓国は米国と中国のうちどちらを選択するか明らかにするべきだ』という質問を受けた。過去10年間に100回以上もワシントンを訪問しているが、こういう質問を受けるのは初めてだった」と伝えた。また「オバマ大統領が訪韓直前に中央日報のインタビューで、『韓中経済協力を歓迎するが、韓国の安保の基礎は米国』と言及したのも、ソウルに対するワシントンの懸念と不満を表出したものだ」と指摘した。この元外交官は「しかし米国の不満は韓国が中国と接近したというところにあるのではなく、日本との関係が悪化した点だ」と強調した。
外交部次官を務めた金聖翰(キム・ソンハン)高麗大教授も26日、「いま韓米関係は良く、韓国の対中接近もそれ自体は米国が懸念するレベルではない」としながらも、「しかし韓日関係が現在のように悪化した状況では、韓米関係がいくら良くても、また、韓中関係が(米国にとって)懸念されるレベルでなくても、米国は韓国の対中接近をよしとしないだろう」と指摘した。米国が最も重視する韓日米協力構図を韓国が崩そうとするのではないかという疑問を抱きかねないということだ。
李明博(イ・ミョンバク)政権の青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官だった千英宇(チョン・ヨンウ)峨山政策研究院顧問も「米国は現在、韓米関係に問題があるとは見ていない」とし「しかし韓国が安保の利害が一致する日本とは距離をおきながら、利害が対立する中国と密着する様相が心配になるだろう」と話した。
したがってオバマ大統領は今回の訪韓期間中、強力な慰安婦批判を通じて韓国に力を与えながらも、安保をはじめとする過去の歴史以外の懸案では韓国が日本と関係を改善し、米国の懸念を拭うことを要求したとみられる。
(中央SUNDAY第372号)
<韓米首脳会談>米大統領の慰安婦発言は韓日和解「折衷案」(2)
【特集】オバマ米大統領の韓日訪問
日本軍慰安婦問題はその間、米国政府レベルで何度か出てきた。クリントン前国務長官が慰安婦を「性的奴隷(sex slave)」と規定して非難して以来、米国はこれに対し「弁解の余地がない反人権犯罪」というの立場を固めた。しかしオバマ大統領が日本を経て韓国に到着した当日、公開席上で慰安婦問題を批判したのはまた別の意味を持つ。このため日本としては相当な負担を抱えることとなった。
複数の外交消息筋によると、韓米首脳は会談場所でも韓日関係について記者会見での発言と似た脈絡の議論をしたという。「過去の問題に対する韓国の立場を理解する。同時に、未来のために韓日の連携が必要ではないだろうか」というオバマ大統領に対し、「その必要性は分かるが(日本が態度を変えない限り)一方だけではどうすることもできない状況」という趣旨で朴大統領の発言があったということだ。
朴大統領は会談で▼村山・河野談話を継承する▼慰安婦被害者に対して誠意ある解決のために努力する--など、従来の日本政府の約束を誠意を持って実践することが重要だという趣旨で発言し、オバマ大統領もこれに理解を表したという。記者会見で出た高強度の慰安婦批判はこうした流れで理解できる。
現在、韓日関係に対する米国の懸念は非常に深刻な水準だ。昨年末、韓米関係を評価する学術会議に出席するためワシントンを訪問した元外交官は「会議の途中、米国の元国務省高官から『韓国は米国と中国のうちどちらを選択するか明らかにするべきだ』という質問を受けた。過去10年間に100回以上もワシントンを訪問しているが、こういう質問を受けるのは初めてだった」と伝えた。また「オバマ大統領が訪韓直前に中央日報のインタビューで、『韓中経済協力を歓迎するが、韓国の安保の基礎は米国』と言及したのも、ソウルに対するワシントンの懸念と不満を表出したものだ」と指摘した。この元外交官は「しかし米国の不満は韓国が中国と接近したというところにあるのではなく、日本との関係が悪化した点だ」と強調した。
外交部次官を務めた金聖翰(キム・ソンハン)高麗大教授も26日、「いま韓米関係は良く、韓国の対中接近もそれ自体は米国が懸念するレベルではない」としながらも、「しかし韓日関係が現在のように悪化した状況では、韓米関係がいくら良くても、また、韓中関係が(米国にとって)懸念されるレベルでなくても、米国は韓国の対中接近をよしとしないだろう」と指摘した。米国が最も重視する韓日米協力構図を韓国が崩そうとするのではないかという疑問を抱きかねないということだ。
李明博(イ・ミョンバク)政権の青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官だった千英宇(チョン・ヨンウ)峨山政策研究院顧問も「米国は現在、韓米関係に問題があるとは見ていない」とし「しかし韓国が安保の利害が一致する日本とは距離をおきながら、利害が対立する中国と密着する様相が心配になるだろう」と話した。
したがってオバマ大統領は今回の訪韓期間中、強力な慰安婦批判を通じて韓国に力を与えながらも、安保をはじめとする過去の歴史以外の懸案では韓国が日本と関係を改善し、米国の懸念を拭うことを要求したとみられる。
(中央SUNDAY第372号)
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