イラスト=カン・イルグ
こうした大事故に気を落としている間にも、どこかでまた別の災難や危機の芽が膨らんでいるかもしれない。大事故や危機は一度の衝撃やミスで発生するのではない。多くの事故の兆候と危機の兆しが表れ、何度かはかろうじて事故と危機の危険な瞬間を免れた後、大事故と危機が発生する。1930年代、米国の保険会社の管理者ハインリッヒは数千件の災害事故を分析した結果、すべての事故が一定の過程を経て発生しているという事実を発見した。統計的に1件の大事故は、平均300回の軽微な事故の兆候があり、事故寸前の危ない瞬間を29回経た後に発生するということだ。いわゆる「ハインリッヒの法則」だ。ほとんどの大事故は、多くの事故の兆しにもかかわらず問題を改善せず、危険の警告まで無視した末に発生するということだ。
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