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【グローバル アイ】「先進国」の名刺をしばらく引っ込めよう=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
私は闇の恐怖を知っている。3年前の3月11日。

出張先だった日本の東北・秋田で大地震に遭った。すべての電気や通信が遮断された。夜になると秋田は暗黒に変わった。ホテルの部屋にあるトイレへ行くにも数分かかった。いつ暗黒から抜け出せるのか分からないということがもっと大きな恐怖だった。

今、セウォル号に閉じ込められている若い生徒が体験した、いや体験している暗黒の恐怖を考えると胸が張り裂ける思いだ。どれほど恐ろしかっただろうか。「動かずに今いる場所から離れないように」という無責任な大人の言葉をそのまま素直に聞いたことも罪なのか。話を素直に聞けば死に、聞かなければ助かる社会が大韓民国か。


テレビに映った救助ボートに向かう子どもたちのジャンプは悲しい大韓民国の現実だ。6歳の兄のライフジャケットを着て名前の分からない生徒のおかげで救助された5歳のジヨンちゃん。病院で流したジヨンちゃんの涙はわれわれ国民すべての血の涙だ。後進国型事故に国民は恥を感じずにはいられない。大事故が起こるたびに何度も繰り返した安全に対する誓いは「言葉だけ」だった。

われわれは皆、先進国という名刺をしばらく引っ込めよう。くやしいが仕方ない。いくら経済規模が大きくなったと言っても、国民の命が保証されない社会を誰が自信を持って先進国だと言えるだろうか。

「安全先進国」日本の2つの事例はわれわれの進むべき道を示唆している。

第一にシステムだ。日本は1998年、首相直属の内閣危機管理監という官職を作った。すべての安全関連事故に対して迅速に対応する“最高のプロ”がこの管理監のもとに布陣している。自然災害はもちろんセウォル号事故のような海難事故など、20種にわたる種類別詳細マニュアルが存在する。事故の第1報が受け付けられると、すぐに警察・自衛隊・地方自治体をつなぐ指揮体系、メディア対応、被害者家族支援など、すべてが水の流れのようにスムーズになされていく。セウォル号事故のように安否不明者数が半日のうちに逆転し、海洋警察も安全行政部もてんでバラバラで右往左往しているということはあり得ない。大統領がその場で指示を与えたため2時間で現地中継装置が設置されるというコメディのようなこともない。

第二は意識だ。「自分が居るべき場所、自分がやるべき仕事」を守る、簡単にいえば先進国民の姿勢だ。2009年11月13日、東京湾を離れて沖縄へ向かっていた大型旅客船「ありあけ」は航海中に座礁して90度に傾いた。「ありあけ」は今回事故を起こしたセウォル号を日本で運営していた会社に所属していた船だった。8メートルの高波の中で、20人の乗務員は救助船に乗客を全員引き渡したあとも船内に残って確認作業を続けた。そして最後に残った船長と乗務員7人は互いに「われわれは大丈夫だ」と共に叫びながら海に飛び込んだ。幸いにも彼らは全員救助された。港に到着した船長の松本氏(当時49歳)の第一声が印象的だった。「『ありあけ』を最後まで守ることができなくてとても悔しい。しかしわれわれは乗客を救った。それならいい」。

われわれ皆、大韓民国の名をかけてやり遂げよう。われわれの子どもたちに、これ以上、暗黒の恐怖を経験させてなるものだろうか。

金玄基(キム・ヒョンギ)東京総局長



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