政府は、災難事故が発生した場合、円滑に救助作業が行われるよう指揮・発表を一元化し、コントロールタワーを指定するようマニュアルを作ったが、「セウォル号」沈没事故では守られなかった、という指摘が出ている。
李明博(イ・ミョンバク)政権でマニュアル作成作業に関与したある人は20日、「セウォル号事件の最も大きな盲点は、現場の指揮責任を引き受けるコントロールタワーがきちんと指定されず、あちこちから発言が出て混乱したという点」とし「政府のマニュアルでは、現場を最もよく知る人をコントロールタワーに指定することになっているが、それが守られなかった」と主張した。
また「朴槿恵(パク・クネ)政権に入り、昨年政府のマニュアルをアップグレードしたが、変わったマニュアルの核心方向は、事故の指揮と発表を一元化するコントロールタワーを指定しろということだった」と述べた。
現在、政府には▼国家安保関連マニュアル14件▼災難に関するマニュアル15件--など、29件の危機対応マニュアルが用意されている。マニュアルには各部処の危機状況時の対応が記され、各部処だけでなく青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室傘下の危機管理センターでも、このマニュアルを管理している。
政府は2012年9月の亀尾フッ化水素酸漏出事故の後、大型災難事故発生時に被害を最小限にとどめるためには初動段階で実質的なコントロールタワーを指定するのが最も重要だという結論を出した。状況を最もよくコントロールできる人に状況判断と救助のための人的・物的支援などに関する全権を与え、指揮体系を一元化するのが核心だ。こうした判断に基づき、青瓦台危機管理センターは昨年、危機対応マニュアルに手を加えた。
朴大統領は7日の青瓦台首席秘書官会議で、「いくら詳細で良いマニュアルでも、担当者が内容を十分に把握していなければ同じだ」とし「担当者がマニュアルを熟知し、実際の危機状況でマニュアル通りに動けるかどうか点検してみる必要がある」と強調した。
しかし16日のセウォル号沈没事故過程では、こうしたマニュアルがきちんと作動しなかったというのが、専門家の指摘だ。事故当日に全羅南道消防本部に遭難の申告があったのは午前8時52分だった。続いて地方出張中だった姜秉圭(カン・ビョンギュ)安全行政部長官が事故発生の報告を受けた時間は午前9時25分だった。6分後の9時31分、安全行政部の関係者が青瓦台危機管理センター長(シン・インホ危機管理秘書官)に携帯電話の文字メッセージで状況を知らせた。姜長官の指示に基づき、安全行政部に中央災害安全対策本部(中対本)が稼働し始めたのは午前9時45分だった。したがって朴大統領は金章洙(キム・ジャンス)国家安保室長から早ければ午前9時31分-9時45分の間に報告を受けたと推定される。申告から中対本が稼働するまで53分かかった。閔庚旭(ミン・ギョンウク)青瓦台報道官が金室長の報告内容と朴大統領の指示内容を把握し、事件関連ブリーフィングをした時刻は午前10時30分だった。
さらに大きな問題はその次からだ。マニュアル通りなら中対本が構成され、安全行政部長官が事故現場の責任者を指定し、コントロールタワーの役割を任せるべきだった。しかしコントロールタワーが指定されなかったため、円滑な救助が行われず右往左往し、発表にも混乱があった。事故当日の16日、救助された人の集計が368人(午後2時)-164人(午後4時30分)-175人(午後11時)と数回変わる混乱が生じた。
18日、救助隊の船体進入に関しても、中対本は午前10時5分に「進入通路を確保した」と発表したが、午後3時27分には「失敗した」と言葉を変えた。その過程で西海海洋警察側は「旅客船に進入したのではなく、空気を注入している」と上級指揮部である中対本の発表を否定するハプニングもあった。
<韓国旅客船沈没>政府、災難マニュアル作っておきながら…右往左往で作動せず(2)
【特集】韓国旅客船「セウォル」沈没事故
李明博(イ・ミョンバク)政権でマニュアル作成作業に関与したある人は20日、「セウォル号事件の最も大きな盲点は、現場の指揮責任を引き受けるコントロールタワーがきちんと指定されず、あちこちから発言が出て混乱したという点」とし「政府のマニュアルでは、現場を最もよく知る人をコントロールタワーに指定することになっているが、それが守られなかった」と主張した。
また「朴槿恵(パク・クネ)政権に入り、昨年政府のマニュアルをアップグレードしたが、変わったマニュアルの核心方向は、事故の指揮と発表を一元化するコントロールタワーを指定しろということだった」と述べた。
現在、政府には▼国家安保関連マニュアル14件▼災難に関するマニュアル15件--など、29件の危機対応マニュアルが用意されている。マニュアルには各部処の危機状況時の対応が記され、各部処だけでなく青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室傘下の危機管理センターでも、このマニュアルを管理している。
政府は2012年9月の亀尾フッ化水素酸漏出事故の後、大型災難事故発生時に被害を最小限にとどめるためには初動段階で実質的なコントロールタワーを指定するのが最も重要だという結論を出した。状況を最もよくコントロールできる人に状況判断と救助のための人的・物的支援などに関する全権を与え、指揮体系を一元化するのが核心だ。こうした判断に基づき、青瓦台危機管理センターは昨年、危機対応マニュアルに手を加えた。
朴大統領は7日の青瓦台首席秘書官会議で、「いくら詳細で良いマニュアルでも、担当者が内容を十分に把握していなければ同じだ」とし「担当者がマニュアルを熟知し、実際の危機状況でマニュアル通りに動けるかどうか点検してみる必要がある」と強調した。
しかし16日のセウォル号沈没事故過程では、こうしたマニュアルがきちんと作動しなかったというのが、専門家の指摘だ。事故当日に全羅南道消防本部に遭難の申告があったのは午前8時52分だった。続いて地方出張中だった姜秉圭(カン・ビョンギュ)安全行政部長官が事故発生の報告を受けた時間は午前9時25分だった。6分後の9時31分、安全行政部の関係者が青瓦台危機管理センター長(シン・インホ危機管理秘書官)に携帯電話の文字メッセージで状況を知らせた。姜長官の指示に基づき、安全行政部に中央災害安全対策本部(中対本)が稼働し始めたのは午前9時45分だった。したがって朴大統領は金章洙(キム・ジャンス)国家安保室長から早ければ午前9時31分-9時45分の間に報告を受けたと推定される。申告から中対本が稼働するまで53分かかった。閔庚旭(ミン・ギョンウク)青瓦台報道官が金室長の報告内容と朴大統領の指示内容を把握し、事件関連ブリーフィングをした時刻は午前10時30分だった。
さらに大きな問題はその次からだ。マニュアル通りなら中対本が構成され、安全行政部長官が事故現場の責任者を指定し、コントロールタワーの役割を任せるべきだった。しかしコントロールタワーが指定されなかったため、円滑な救助が行われず右往左往し、発表にも混乱があった。事故当日の16日、救助された人の集計が368人(午後2時)-164人(午後4時30分)-175人(午後11時)と数回変わる混乱が生じた。
18日、救助隊の船体進入に関しても、中対本は午前10時5分に「進入通路を確保した」と発表したが、午後3時27分には「失敗した」と言葉を変えた。その過程で西海海洋警察側は「旅客船に進入したのではなく、空気を注入している」と上級指揮部である中対本の発表を否定するハプニングもあった。
<韓国旅客船沈没>政府、災難マニュアル作っておきながら…右往左往で作動せず(2)
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