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【社説】行方不明者の家族の前に立った朴槿恵大統領

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領が昨日午後、「珍島(チンド)旅客船沈没事故」海域を訪問した。大統領が事故現場の実状を把握して収拾過程を促したのはそれ自体、必要なことだった。さらに意味があったのは事故対策本部が組まれた珍島体育館を訪問し、行方不明者の家族600人余りと30分余りの間対話をしたことだ。対話の現場は怒りとため息、涙と絶叫が入り乱れた。朴大統領は荒々しい息とともにフィルターなしで伝えられる家族の話をしっかりと聞いた。現在この土地で最も惨憺たる状態に陥っている国民と最高意志決定権者の間の率直な対話は事件収拾過程に一抹の希望の光を照らした。

行方不明者の家族が最も渇望したのは疎通だった。家族は安全行政府の責任下に海上警察・海軍・民間専門家らが進める収拾過程をろくに、正直に伝達されずにいるという被害意識を感じていた。被害意識は政府が嘘をついているという不信につながった。朴大統領は「今、どんな慰労も慰めにならないほどつらく苦しいと思うが、希望を失わずに救助の知らせを皆一緒に待ってほしい」と頼んだ。朴大統領は家族の要求により船で2時間離れた事故現場の救助の様子を乗客の家族が集まっている珍島体育館でリアルに見ることができる画像システムを備えるように指示した。同席した海洋警察庁長官は地方庁長を配置して家族に常時ブリーフィングをすると約束した。

朴大統領が天安(チョナン)艦救助に参加した現場要員に「最善を尽くしてほしい。これは他でもない命令だ」と言ったという話を紹介する時、場内に厳かな空気が流れた。朴大統領の対話の仕方は7時間の間行われた規制改革終末討論を連想させた。最も印象的な場面は「果たして今日した約束が信じられようか」という家族の質問に朴大統領が「皆さんと話したことが守られなければ、ここにいる人は全員責任をとり退かなければならない」と釘を刺したのだ。大統領の側にはイ・ジュヨン海洋水産副長官、金淇春(キム・ギチュン)秘書室長などがいた。朴大統領が家族にした約束は国民との約束でもある。この約束が官僚主義の惰性に押されてせっかくひらいた「信頼の希望の光」が再び消えないようにしなければならない。

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