対話なのか、衝突なのか。北朝鮮が「新しい形態」の核実験の可能性に言及したことを機に、こう着状態に陥っている北朝鮮の核問題が、重大な岐路を迎えている。国際社会の警告にもかかわらず第４次核実験を押し切る場合、北朝鮮との正面衝突は決まった手順も同じだ。だが最近になって足取りがせわしくなった６カ国協議当事国の交渉再開の努力が実を結べば、北朝鮮の核問題は思いがけない対話の局面に転換できるかもしれない。衝突よりも対話が望ましいことは言うまでもない。韓国の主導的役割が要求される理由だ。

韓国の新しい６カ国協議首席代表である黄浚局（ファン・ジュングク）外交部韓半島平和交渉本部長は先週、ワシントンで米国と日本側のカウンターパートと北朝鮮の追加核実験の可能性と６カ国協議再開案について議論した。帰国する間もなく黄本部長は北京に飛んで行って中国側の首席代表に会った。日米と中国の間で中間子的な役割を果たさなければならない韓国の立場に照らせば適切な行動だと評価する。黄本部長は韓日米首席代表会談を終えた後、６カ国協議の再開条件として北朝鮮に要求してきた非核化の事前措置を、柔軟性を持たせて適用することも可能だという立場を示唆して注目を受けた。

６カ国協議再開の有無は、条件なき対話再開を要求する北朝鮮と、事前措置の履行を要求する米国の間で折衷点を求めることができるかにかかっている。米国は断固たる立場だ。ジェン・サキ国務省報道官は「私たちの政策は何も変わったことはない」として「ボールは依然として北朝鮮に渡されている」と強調している。中国が北朝鮮をさらに強く圧迫しなければならないという米国の要求に中国は内心不満だ。崔天凱・駐米中国大使が「私たちを見て北朝鮮をさらに圧迫しろというのは『ミッション・インポッシブル（不可能な任務）』」と一線を引いたことは、中国の不満を反映したものと見ることができる。


北朝鮮の核問題解決のカギを握っている米中が、互いに責任を転嫁してピンポンゲームを行っている様相だ。なおさら重要なのが韓国の役割だ。６カ国協議の再開条件と手順に関して韓国なりの妥協案を提示し、米国と中国、さらには北朝鮮を説得できる高度な外交力を期待する。