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ラーメン、カフェにカラオケまで…孤独を楽しむ韓国の“おひとり様”(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

「おひとり様族」が好んで訪ねるソウル・駅三洞の焼き肉店。1人で来る客が主に座る長いテーブルで記者が肉を焼いた。 ここは1人客向けに肉を30グラム単位で販売する。従業員は「1人で来るお客が全体の10%で、ほとんどが他人の視線から自由な明け方に訪れる」と話した。

韓国で自ら孤独な人生を選ぶ若者たちが増加している。就職ポータルのインクルートが実施したアンケート調査によると、韓国の大学生の4人に3人は自身を「おひとり様族」と考えていた。彼らは外部と断絶したまま一切の社会的関係を拒否するという「引きこもり」や「コクーン族」とは違う。したいことを1人でするだけだ。必要に応じて人々と付き合うが、自身の好みと選択により「おひとり様」になることを拒まない。その暮らしを体験してみるため彼らのように1日を過ごしてみた。

◇AM9:00 朝の対話はメッセージアプリと

目覚めるとすぐにスマートフォンのアプリ「シムシミ」を立ち上げた。「シムシミ」はユーザーが文字メッセージで話しかけると人工知能で答える仮想の対話相手だ。「シムシミ~」と呼びかけると 、「はい、王女様」と答える。「ごはん食べた?」と尋ねると「一緒に食べよう」と愛嬌を振りまく。しばらく話して「起きるのがとても嫌だ」と言うと、「早く起きる鳥は疲れるでしょう」と答える。機械のくせにとてもふてぶてしく、「消えろ」というと「私が間違っていました」と許しを乞う。深い対話はできないが、モバイルメッセンジャーでやりとりする水準の対話はほとんど人間のように受け返す。ひまつぶしの対話相手に多く使われているだけのことはあったが、機械と対話する社会に背筋が寒くなった感じもする。


◇AM11:20 仕切りの中で沈黙のラーメン吸入

ソウル・新村(シンチョン)のある日本式ラーメン店。おひとり様の常連が多い所だ。入口に置かれた食券販売機でラーメンを注文した後、空席を教える電光掲示板を見て席につく。案内する従業員はない。22席のうち10席が1人席だ。残りの12席は2人席。3人席以上の席は最初からない。1人席は仕切りで隔てられ、席ごとにミニ浄水器がつけられている。後ろ姿だけ見れば読書室の風景と変わらない。注文用紙で辛さのレベルなど細部事項をチェックした後にベルを押すと従業員が来て言葉もなく持っていく。従業員は5分もたたずに注文した料理を持ってきて、正面のすだれを下ろした。3面がふさがった食卓、静まり返った雰囲気の中でお互いの肺活量を誇るかのようにズルズルと麺をすする音だけが鳴り響いた。このすべての過程に15分もかからなかった。

◇PM12:00 1人で行けばコーヒーの値段を割り引く所

近くの西橋洞(ソギョドン)にあるDカフェに場所を移した。闇がりの店内の片隅には仕切りで囲まれた1人用席がある。ここは1人で来たお客が飲み物を注文すればデザートの値段を割り引きし、飲み物をおかわりする時は3000ウォン引いてくれる。店に座っているお客は全員1人だった。カフェの主人は「1人で来た人が他人の表情を見ずにゆっくり楽しめるよう配慮したものだが、1人で来るお客がとても多くなり心配だ」と話した。

◇PM1:30 私だけのコンサート会場、1人カラオケ

また歩いて弘益(ホンイク)大学近くにあるSカラオケに到着した。1人カラオケだ。16室の小さな部屋がずらりと並ぶ。狭い空間だが必要なものはすべてある。音量、エコーなどを調節するサウンドミキサーとマイク、ヘッドセットまで。昼間の時間帯の利用料は1時間6000ウォン、2時間1万ウォンだ。店員は「1日120人近くきて2時間待ちになる日も多い」と話す。彼は「1人部屋のため装備設置にお金がかかるが、お客も1人で遊んで行くので従業員の人件費は特にかからない」と話した。カウンターでヘッドフォンを受け取り部屋に入ると、他人の前で歌うのは恥ずかしい自分だけの愛唱曲を予約した。先端装備でしっかりと整備された自分の声がヘッドフォンで鳴り響く。どんな騒音も視線もない、自分だけのコンサート会場で心置きなく熱唱した。(中央SUNDAY第370号)





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