中国が米国を相手に、脅してなだめる外交姿勢を披露した。常万全・国防相がチャック・ヘーゲル米国防長官の面前で「戦争も辞さない」とまで叫んで強硬な姿を見せた翌日、習近平・国家主席は“軍事協力”を取り上げて友好的なジェスチャーをした。世界最強大国の米国を相手に、言うべきことは言いながらも対決には向かわないとする戦略だ。

新華社通信によれば習主席は９日、ヘーゲル長官に会って「軍事関係は米中両国関係の重要な部分であり、互いに新型大国関係の枠組みの中で新しいモデルを発展させなければならない」と強調した。香港明報によれば、米国と中国の国家首脳が２０１２年以降、相手国の国防長官に会わなかったことを勘案すれば、習主席とヘーゲル長官の会談は異例だ。習主席は引き続き「昨年のオバマ大統領との首脳会談で相互尊重して協力し、互いに利益になる新型大国関係の構築に合意した。互いに対立したり衝突したりせずに、デリケートな問題や異なる意見については協力を通じて解決しよう」と話した。ヘーゲル長官も「２１世紀の世界で多くの国際問題が米中両国の関係の発展にかかっており、米国は中国との対話を通じて信頼を積み重ねて軍事関係を発展させるだろう」と呼応した。

この日の友好的雰囲気は、前日の険悪な雰囲気とは対照的だ。ヘーゲル長官は８日、常万全・国防相との会談を終えて行った記者会見で「中国の防空識別圏宣言は、周辺国との対立の危険がある」「米国は日中領土紛争の際には同盟国の日本を保護する」などと強硬発言をした。


これに対し中国測も激しく反発した。常国防相は「中国は領土守護のために必要ならば軍を使う準備ができており、戦争をすれば必ず勝つだろう」と直撃弾を飛ばした。中国軍の首脳部が米国防長官の面前で「戦争」を取り上げたのは前例のないことだ。



中国、ヘーゲル長官をなだめて脅して…習近平と軍の「分業外交」（２）