矢部輝夫氏
「トータルサービス会社」「世界的なおもてなし会社」への変身を導いた矢部氏に先月20日、インタビューした。インタビューは新幹線のプラットホームのすぐ下の階にあるTESSEI会議室で行われた。会議室の壁は各種の試みと成果に関する資料で埋まっていた。
--新幹線が入ってくる時、整列してあいさつするのが印象的だ。
「過去にもあいさつはしたが、どうせするのなら心からしようという主張が現場から出てきた。単にマナーのためではない。本当の目的は乗客の安全を確保するためだ。そのため安全ラインの外に整列して新幹線を迎える」
--客の満足だけでなく、従業員の満足が重要だという話が興味深い。
「会社は一方通行ではいけない。客はもちろん重要だ。他社も同じで、TESSEIも同じように今まで顧客満足は誰もが話してきた。しかし従業員の満足は考えなかった。客だけでなく従業員の満足度も高めなければいけない。そうしてこそすべてが一つになり、最高のサービス、最高の旅の思い出を作ることができると考えた」
--他社や他の清掃会社も似た努力をしているのでは。なぜTESSEIだけが唯一成功したと思うか。
「集まっている人たちやルールはほとんど同じだ。しかし違う点はおそらく、自分たちがもう一歩踏み出したということだろう。今までしてきたことを改善しながら、新たな夢に向かってもう一歩前進したというか。最も重要なのは、小さな成功を看過する会社が多いということだ。『私たちも同じような努力をするが、TESSEIほどにはならない』と話す会社が多い。しかし実際にはその会社も成功の経験が多いが、それに気づいていないだけだ。小さな成功を逃さず、もっと広めなければいけない」
--試験で正社員になる比率を高めたが、費用の問題はなかったのか。JR東日本の本社は反対しなかったのか。
「確かにお金はもっとかかる。しかしいつ『あなたは必要ない』といわれるか分からない状況で、誰が積極的に仕事ができるだろうか。我々は本社に『こういう仕事をするからもっとお金が欲しい』とは先に話さなかった。先に努力をし、良い評価が出た後に(人件費など)お金を少し増やしてほしいと伝えた」
(中央SUNDAY第369号)
世界が注目する日本TESSEI「職員が満足しなければ顧客も満足できない」(2)
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