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【社説】市民の幸福もデモくらい重要だ=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
今週末も相当数のソウル市民は都心の各地で開かれた大規模集会のため不便を甘受しなければならなかった。ひさびさにお出かけに出た家族の顔はデモによる交通渋滞でいらだちの表情に変わり、拡声器からあふれるデモ隊の叫びは近隣の商人と市民には騒音と不快さを抱かせた。

29日の状況を見てみよう。金属労組の組合員数百人はこの日午前11時からソウル市庁からソウル駅広場まで1車線を占拠してサムスン糾弾対国民広報行進をした。

午後2時には貨物連帯所属組合員数千人が汝矣島(ヨイド)のセヌリ党本部とソウル駅でそれぞれ集会を行ない、午後4時に汝矣島(ヨイド)文化広場前で総会を開いてスト決議について議論した。午後6時を前後して国会前の道路で闘争勝利決議大会も行った。


全国鉄道労働組合所属組合員数千人も午後3時にソウル駅広場でスト総力闘争決議大会を開いたのに続き、南大門、(ナムデムン)、韓国銀行、乙支路(ウルチロ)入口を通り国家人権委員会事務室まで街頭行進をした。午後7時には清渓(チョンゲ)広場で280余りの社会運動団体で構成されたという国家情報院時局会議という団体主導で国家機関の大統領選挙介入と証拠ねつ造疑惑糾弾集会も開かれた。このようなデモは先週末にも、その前の週末にも続いていた。

民主主義国家で憲法により保障された表現の自由と集会および結社の自由はだれも侵すことはできない権利だ。厳しい軍部独裁政権を経ながらも血を流して守ってきた私たちの天性の自由だ。

しかし、いくら目的と名分が妥当だとしても、他人の幸福追求権まで侵害する権利はだれにもない。多くの平凡な市民は尋ねる。「いったい何のための、だれのためのデモなのか」と。そして「私は何のために、だれのためにこの不便を甘受しなければならないのか」と尋ねたがる。

「真の民主主義のための闘争」「労働者の生存権を守るための決死抗争」などの巨大な談論の中で平凡な市民の週末のお出かけのような小さな幸福が埋められてしまっては困る。デモ隊の道路占領により車内に閉じ込められ泣いてばかりいる子どもたちと彼らをなだめる母親の手もやはり保護されるべき権利だ。これを無視したまま自分たちの要求を一方的に発散するのはまた別の暴力であり横暴と変わらない。

ちょうど最近憲法裁判所が夜間デモを処罰できるようにした集会およびデモに関する関連条項に対し、限定違憲の決定を下し関連法改正が推進されるという。この機会に国会では平凡な小市民の幸福追求権と生活圏も保証されるよう関連法規を定置し細かく整理しなければならない。また、警察もデモ隊規模が300人を超えれば1車線を空けるようにする関連指針を見直さなければならない。デモ隊が車道を占拠して行進する場合、車両の円滑な流れのため5~10分単位でデモを規制できるよう警察に権限を与える方策も検討する必要がある。(中央SUNDAY第368号)



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