もちろん投票に参加する今でも疑問がないわけではない。「この人なら国と国民のために私心なく仕事をしてくれるはず」という信頼で一票を行使したことはない。次悪を選んだと信じたが、その人が政治家の公約は空約であることを証明し、党利党略の闘士になる姿を見ることが多かった。このため投票後には「自分の指を抜いてしまいたい」という後悔が押し寄せたりもした。こうした「投票の無力感」が有権者を投票の放棄と後悔の間を行き来させるのかもしれない。
しかし今回、約6万票の無効票が出た大阪市の出直し市長選の結果を見た。新鮮な衝撃だった。無効票を投じるために投票場に行った大阪市民は約6万7500人、全体投票数の13.53%にもなった。