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韓国の国民所得は高まったのに体感景気は…所得なき成長?(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国民総生産(GDP)の算出方式が変わり、韓国の昨年の成長率は3%に高まった。1月に発表された速報値の2.8%より0.2ポイント高い。新しい基準により算出された昨年の1人当たり国民所得(GNI)は2万6205ドルだった。2012年の1人当たりGNIは2万2708ドルから2万4696ドルに増えた。

数字が大きくなったからと喜ぶことではない。経済状況は全く同じだが計算方法を変えて出された結果であるためだ。生産や消費が増え景気が良くなったのではなく、研究開発費用などを新たにGDPに含ませた影響という話だ。むしろ国民が体感する景気や所得との格差を広げかねないという指摘も出ている。

韓国銀行が26日に明らかにしたところによると、昨年の1人当たりGNIはウォン建てで2869万ウォン(約272万円)だった。4人世帯なら1億ウォンを超える所得があれば平均水準と考えることができる。しかし国税庁によると2012年の年末精算対象の勤労所得者1576万人のうち年俸が1億ウォンを超える人は全体の2.6%の41万人余りにすぎなかった。


統計と現実にあまりに大きな差が生じている。最大の理由は韓国銀行が発表する国民所得に企業と政府の所得が含まれているためだ。企業が稼いで貯め込んでいる留保金と政府が得た税金が代表的だ。そのため韓国銀行は家計と民間非営利団体の所得だけを計算した1人当たり家計総可処分所得(PGDI)を別に発表している。昨年の1人当たりPGDIは1608万ウォンだった。もちろんこの金額もすべて家計所得ではない。宗教・慈善団体のような民間非営利団体の所得が含まれるが、正確にはわかりにくい。韓国銀行経済統計局のチョン・ヨンテク局長は、「公式統計ではないが、家計部分の1人当たり所得は1500万ウォン程度」と話す。

先月統計庁が発表した家計動向もこれを裏付ける。昨年の月平均世帯所得を年間換算すると4994万ウォンとなる。これを平均世帯人数3.25人で割ると1人当たり年間所得は1536万ウォン程度だ。結局国民が実際に稼いでいるお金は1人当たりGNIの60%に満たないわけだ。

統計と体感の乖離は今年国内総生産と国民所得の算出基準が変わりもっと大きくなった。何よりこれまでGDPに含まれなかった研究開発費用と、ドラマや娯楽制作費などが新たに反映された。例えば200ウォンの原材料に100ウォンの研究開発費用を投じ500ウォンのモノを作って売ったとすれば、これまではGDPが200ウォンで計算された。原材料価格200ウォンと研究開発費用100ウォンを差し引いた残りを付加価値とみるためだ。だが、新基準ではGDPが300ウォンで計算される。技術など知的財産生産物は単純な原材料ではなく数年にわたり生産性を高める役割をする。したがって単純費用で処理するのではなく付加価値がある資本財とみるべきということだ。



韓国の国民所得は高まったのに体感景気は…所得なき成長?(2)

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