イラスト=キム・フェリョン記者
韓国にもミクロネーションがある。南怡島(ナミソム)だ。南怡島は2006年3月1日、ナミナラ共和国の独立を宣言した。ナミナラ共和国は憲法・愛国歌・貨幣・パスポート・文字はもちろん、軍隊も持つ(南怡島旅客船の職員が「海軍」)。
南怡島の国家もどきはマーケティング戦略から始まった。2004年以降、日本人入場者が急増したが、南怡島は『冬のソナタ』ブームが3年後には弱まると予想した。考えた末に見いだした活路が、世の中にどこにもない「想像の国」だった。独立は避けられなかった。
しかし内部の事情は複雑だ。南怡島国立ホテル「静観楼」にそれが表れている。客室44室がすべてのホテルの正門に6つの星が描かれている。6つ星ホテルの象徴のようだが、韓国は外国と違いホテルの等級をムクゲで表示する。したがって静観楼の星は装飾ということだ。カン・ウヒョン代表の説明だ。
「ホテルの等級を申し込んだところ、公務員がこれではいけない、あれではいけないと時間を長引かせた。2年待ったが、これではいけないと思って星を付けてしまった。私たちは6つ星級のサービスをし、客は6つ星級に宿泊し…。本当の等級だって? 旅館にすぎない」。
先週、青瓦台(チョンワデ、大統領府)規制改革討論で、大統領の「罪悪」発言と文化体育観光部長官の「我々も狂ってしまいそうです」という発言を引き出した問題が、学校保健法に阻まれている観光ホテル設立の件だった。小学校から170メートル離れた場所に観光ホテルを作ろうとしているが、1年間ずっと苦労しているというホテル業者の事情は気の毒だった。
とはいえ規制のせいばかりにはできない。保護者にとってホテルはまだ有害施設だからだ。最近は一流ホテルもバレンタインデーにカップルパッケージ商品を売る。当初は夫婦パッケージだったが、いつからかカップルに変わった。国内ホテルが文化空間として認められないのには、ホテル側にも責任がある。
南怡島には台湾の国旗がはためく。中国とのみ国交を結んだ韓国の公共機関では見られない風景だ。韓国の領土にはためく自国の国旗の下で台湾人は感激する。誰かが台湾の国旗に難癖をつければ、カン・ウヒョン代表は「ここは韓国ではない」と冗談を言う。昨年、南怡島には台湾人10万人が入場した。
6つ星旅館の静観楼は客室がそれぞれ違う。芸術家がそれぞれの色で部屋を飾ったからだ。南怡島の独立宣言は、規制に対抗する南怡島だけの対処方式だ。規制さえ規制すれば本当に成功するのだろうか。今の観光業界に文化が見えないために出てくる言葉だ。
ソン・ミンホ文化スポーツ部門記者
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