栗作業をしていた小さな農村が、大勢の人で賑やかになっている。ここに隕石が落ちてから２週間が過ぎた。日曜日の２３日午後、慶尚南道晋州市美川面梧芳里（キョンサンナムド・チンジュシ・ミチョンミョン・オバンニ）の村。軽装姿の４０人余りが山の隅々を探し回っていた。この山は隕石が発見された豆畑の近くにある。家族らと京畿道城南市（キョンギド・ソンナムシ）から来たキム・ジュヌェさん（４５）は「隕石を探せたら良いが、７１年ぶりに国内に隕石が落ちた現場だけでも見たくて来た」と話した。

隕石の発見地点を通り過ぎる往復２車線の地方道路沿いには、数百台の車が駐車している。立派な観光地がない村では、めったに見られない光景だ。隕石を探す人たちは特に隕石発見の中間地点の伐塘（ボルダン）などの一帯に集中した。釜山市海雲台区（プサンシ・ヘウンデグ）から来たキム・テウさん（４８）は、隕石が落下したくぼみで土を掘っては紙に包んでいた。キムさんは「隕石が落ちた場所にある『宇宙の気』を家に持ち帰るつもり」と話した。

専門の隕石ハンターと思われる人たちは先端が磁石になっている棒と衛星位置確認システム（ＧＰＳ）を使ってあちこちを歩き回っていた。隕石には鉄成分が多く、近くに行けば磁石棒が動く。彼らは「隕石を探しているのか」という問いには返事をせずに行ってしまった。美川面事務所のイ・スングム住民生活支援担当（５６）は「毎日、磁石についた石を持ってきて隕石かどうか確認してほしいという人々がいる」として「専門家に連絡するが全て隕石でないとの判定が出たそうだ」と伝えた。


現地住民たちは期待半分、心配半分だ。食堂や店は売り上げが上がった。梧芳スーパーのパク・マンジョン代表（６５）は「静かだった村に、これほどの人々がたくさん来たのは初めて」としながら「おかげで商売は前よりうまくいっている」と話した。だが山火事や農作物の被害は心配事だ。この時期は、美川面で栗の接ぎ木をする。隕石ハンターたちがあちこち歩き回って接ぎ木をした枝を折れば農作業が台無しになる。

隕石ハンターらが集まると晋州市は隕石を観光資源化することにした。隕石が発見された場所に隕石の模型と案内板を設置し、発見地までの周り道を作る計画だ。晋州航空産業団地の中に隕石展示室を用意し、各種イベントや隕石展示会を開いて隕石都市としてのイメージを育てることにした。モデルは米国「ＵＦＯ（未確認飛行物体）の都市」として知られた米国ニューメキシコ州ロズウェルだ。小さい田舎街だったが１９４０年代に未確認飛行物体の残骸とエイリアンと思われる遺体がここで発見されたといううわさが広がりながら世界的に有名な都市になった。

一方政府は、晋州の隕石が９日に全国で観測された流星から落ちたものだと２４日、公式に確認した。天文研究院と延世（ヨンセ）大学が全国各地で確認された映像に基づき流星の軌跡を分析した結果、流星が首都圏の大気圏に突入した後、慶尚南道咸陽（ハミャン）・山清郡（サンチョングン）の上空で爆発して晋州市に落ちたという説明だ。

政府は、晋州の隕石を学術的に活用して国家レベルの隕石管理体系をつくるため汎政府対策班を構成することにした。未来創造科学部が主導し、海洋水産部・文化財庁と韓国天文研究院・韓国地質資源研究院・極地研究所・韓国航空宇宙研究院などが参加する。対策班では隕石検証団を運営して隕石関連の国家記録を作るために登録制を導入することなどを議論する計画だ。