韓国で年上の女性と結婚する男性が増加している。最近になり目立っているが、年上女性と年下男性の結婚は1990年代から少しずつ増えてきた。最近になりその流れが速くなり件数が増えただけだ。
背景には1960~90年代にあった女児堕胎問題がある。男児を好む傾向が明確だった時代のことだ。男児を切実に望んだが何人も子供を産むことはできなかった。産児制限政策のためだ。女児であることが明らかになれば中絶する人が多かった。現在結婚市場の人口分布に深刻な不均衡ができたのはこのためだ。統計庁の2010年人口総調査結果によると、15歳以上の未婚人口のうち男性は704万人余りなのに対し女性は520万人余りにすぎない。韓国の男性は人口学的にパートナー探しが難しいのだ。
人口構造だけでなく社会的環境も変わった。1980年以降、女性の就学率と就職率は急激に上昇し、社会的・経済的地位も高まった。男性に遅れないよう勉強もたくさんしお金もよく稼ぐ。ところが配偶者を選ぶ価値観は大きく変わらなかった。男性は女性よりも年上で、勉強もたくさんし、お金もたくさん稼がなければならないという固定観念のためだ。自然に条件の良い女性は満足できる男がおらず、条件の劣る男性は結婚相手を見つけられない状態が続いた。これが「ゴールドミス」という新造語を生んだ背景だ。一方ではパートナーを見つけられなかった低学歴・低所得層の男性も増えた。
結婚市場で発生した需要と供給の不一致を解消できる方法はひとつだけだ。配偶者の選択に関する既存の価値観を変えることだ。実際に韓国では既存の配偶者選択の原則をひっくり返した3種類の変化が起きた。最初に崩れたのが年齢の区分だ。年上女性と年下男性の結婚件数が大きく増えた。伝統的な結婚では男女が同い年から男性が3~4歳ほど年上なのが一般的だったが、いまでは年上女性でも関係ないという価値観が定着している。
2番目の変化は離婚経験のある女性との結婚だ。未婚女性からはパートナーを見つけるのが困難なのでバツイチ女性でも関係ないという認識が広がった。統計庁によると、再婚カップルのうち男性が初婚で女性が再婚となる夫婦の比率は2012年で26.9%に達した。20年前と比較すると11.8ポイントの上昇だ。これに対し男性が再婚で女性が初婚の夫婦の比率は同じ期間に44.6%から19.2%に下落した。結婚市場の男性超過現象が生んだ変化だ。最後の変化は国際結婚だ。2012年だけでも3万組近い国際結婚カップルが誕生した。
韓国政府は多様な少子化対策を出している。だが大きな効果は出ていない。韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国で最も深刻な少子化現象を体験している。韓国政府は仕事と家庭の両立政策や、出産費用支援などの社会的・経済的支援を通じ少子化問題の解決を図っているが、最も急ぐべきことは結婚件数を増やすことだ。
結婚適齢期の韓国人男性が年齢、学歴、階層、離婚、国籍を基準に同質的集団の内部で配偶者を見つけるのはかなり難しい。学校教育を通じ結婚に対する伝統的な価値観を破る努力が必要だ。テレビラマなど大衆メディアで新しい結婚パターンを取り上げ、社会的公論化を試みなければならない。伝統的結婚価値観の鎖を破り、より多くの男女がパートナーを見つけることができてこそ少子化問題が解決されるだろう。(中央SUNDAY第367号)
背景には1960~90年代にあった女児堕胎問題がある。男児を好む傾向が明確だった時代のことだ。男児を切実に望んだが何人も子供を産むことはできなかった。産児制限政策のためだ。女児であることが明らかになれば中絶する人が多かった。現在結婚市場の人口分布に深刻な不均衡ができたのはこのためだ。統計庁の2010年人口総調査結果によると、15歳以上の未婚人口のうち男性は704万人余りなのに対し女性は520万人余りにすぎない。韓国の男性は人口学的にパートナー探しが難しいのだ。
人口構造だけでなく社会的環境も変わった。1980年以降、女性の就学率と就職率は急激に上昇し、社会的・経済的地位も高まった。男性に遅れないよう勉強もたくさんしお金もよく稼ぐ。ところが配偶者を選ぶ価値観は大きく変わらなかった。男性は女性よりも年上で、勉強もたくさんし、お金もたくさん稼がなければならないという固定観念のためだ。自然に条件の良い女性は満足できる男がおらず、条件の劣る男性は結婚相手を見つけられない状態が続いた。これが「ゴールドミス」という新造語を生んだ背景だ。一方ではパートナーを見つけられなかった低学歴・低所得層の男性も増えた。
結婚市場で発生した需要と供給の不一致を解消できる方法はひとつだけだ。配偶者の選択に関する既存の価値観を変えることだ。実際に韓国では既存の配偶者選択の原則をひっくり返した3種類の変化が起きた。最初に崩れたのが年齢の区分だ。年上女性と年下男性の結婚件数が大きく増えた。伝統的な結婚では男女が同い年から男性が3~4歳ほど年上なのが一般的だったが、いまでは年上女性でも関係ないという価値観が定着している。
2番目の変化は離婚経験のある女性との結婚だ。未婚女性からはパートナーを見つけるのが困難なのでバツイチ女性でも関係ないという認識が広がった。統計庁によると、再婚カップルのうち男性が初婚で女性が再婚となる夫婦の比率は2012年で26.9%に達した。20年前と比較すると11.8ポイントの上昇だ。これに対し男性が再婚で女性が初婚の夫婦の比率は同じ期間に44.6%から19.2%に下落した。結婚市場の男性超過現象が生んだ変化だ。最後の変化は国際結婚だ。2012年だけでも3万組近い国際結婚カップルが誕生した。
韓国政府は多様な少子化対策を出している。だが大きな効果は出ていない。韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国で最も深刻な少子化現象を体験している。韓国政府は仕事と家庭の両立政策や、出産費用支援などの社会的・経済的支援を通じ少子化問題の解決を図っているが、最も急ぐべきことは結婚件数を増やすことだ。
結婚適齢期の韓国人男性が年齢、学歴、階層、離婚、国籍を基準に同質的集団の内部で配偶者を見つけるのはかなり難しい。学校教育を通じ結婚に対する伝統的な価値観を破る努力が必要だ。テレビラマなど大衆メディアで新しい結婚パターンを取り上げ、社会的公論化を試みなければならない。伝統的結婚価値観の鎖を破り、より多くの男女がパートナーを見つけることができてこそ少子化問題が解決されるだろう。(中央SUNDAY第367号)
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