「時代に立ち遅れた概念であることは明らかだ。“民族”を重視する韓国社会の情緒を考慮しながらも、表現を変える案を検討中だ」。
「改憲推進国会議員の集い」の幹事であるウ・ユングン民主党議員は15日、中央SUNDAYの電話取材に「憲法改正を推進する場合、前文の『民族の団結を強固にして』という部分を含めて何度も登場する“民族”という表現を“国民”に変える案を検討中」と話した。多文化人口(145万人)が国民の2.8%に達する現実を考慮したのだという。
すでに韓国社会では“民族”という用語の使用頻度がますます減っている。例えば軍は2011年「国家と民族のために忠誠をつくす」という将校任官、兵士入隊宣誓で、“民族”を“国民”に代えた。2030年には多文化将兵が1万2000人(全体服務者の4.6%)まで増加することを勘案した措置だ。軍はまた、外見上の差が明らかな混血人を第2国民役(兵役の一区分)に配分した慣行も2010年からなくした。これに伴い現在300人余りの多文化将兵が軍服務中だ。
◆作家団体も“民族”単語を放棄
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時期だった2007年には多文化学生の急増を考慮して「国旗に対する誓い」から“民族”という表現を抜いた。「祖国と民族の絶え間ない栄光のために」という部分が「正義ある大韓民国の絶え間ない栄光のために」に変わったのだ。進歩的文人が生み出される場の「民族文学作家会議」も同年、「団体名に入っている“民族”という表現のために、外国ではファシズム団体、国内では左派団体と誤解を受けている」という理由で「韓国作家会議」に改名した。
民族概念の退潮は、国民の変化した意識にもあらわれている。2010年東アジア研究院(EAI)が実施した「韓国人のアイデンティティ」調査によれば「真の韓国人になるための条件」を尋ねる複数回答型の質問に「大韓民国の国籍維持」が1位(89.4%)を占めた。“血統”という回答は84.1%だったが最下位の7位を記録した。
2005年、この研究院の同じ調査で“血統“は4位だったが、5年で3階段下がったのだ。また、自身のアイデンティティを尋ねた質問では「大韓民国国民」(83.8%)という回答が「韓民族」(67.6%)を上回った。「韓国は単一民族国家の代わりに多民族・多文化国家にならなければならない」という回答も60.6%に達した。「私たちの歴史で最も誇らしい国」を尋ねた質問でも「大韓民国」(29.2%)が「高句麗」(30.4%)に続き2位に上がった。5年前の調査結果(高句麗33.7%、大韓民国24.6%)と比較すると大韓民国に対する自負心が相当高まったことになる。
北朝鮮と統一に対する認識の変化も、民族概念の弱化を見せている。2010年のEAI調査で「南北は別個の独立国家」という回答が80.5%に達した。5年前に比べて2.8ポイント高まった数値だ。「大韓民国の領土の範囲はどこまでか」という質問にも「韓国」との回答比率が48.6%に達した。5年前(25.2%)に比べて倍近く高まったのだ。特に20代は57.4%が「韓国だけが大韓民国の領土」と答えた。
また、ソウル大学統一平和研究院の統一意識調査によれば「統一が必要だ」という回答は2007年の63.8%から昨年は54.8%に減少した一方、「統一は必要ない」という回答は、同期間で15.1%から23.7%に増えた。
ソウル大学のカン・ウォンテク教授(政治学)は「統一が必要なのかという質問は『人は両親に親孝行すべきか』のような非常に規範的な質問であることを勘案すれば、『必要ない』と考える人は調査結果よりもさらに多いと見るべきだ」と指摘した。さらに「今では血縁や北朝鮮との一体感に基づいた漠然で曖昧とした民族主義から、具体的・近代的属性を内包する韓国だけの『大韓民国民族主義』が明確になってきた」と分析した。
(中央SUNDAY第366号)
国民の89%「韓国人の条件は国籍」…変化する韓国の民族主義(2)
「改憲推進国会議員の集い」の幹事であるウ・ユングン民主党議員は15日、中央SUNDAYの電話取材に「憲法改正を推進する場合、前文の『民族の団結を強固にして』という部分を含めて何度も登場する“民族”という表現を“国民”に変える案を検討中」と話した。多文化人口(145万人)が国民の2.8%に達する現実を考慮したのだという。
すでに韓国社会では“民族”という用語の使用頻度がますます減っている。例えば軍は2011年「国家と民族のために忠誠をつくす」という将校任官、兵士入隊宣誓で、“民族”を“国民”に代えた。2030年には多文化将兵が1万2000人(全体服務者の4.6%)まで増加することを勘案した措置だ。軍はまた、外見上の差が明らかな混血人を第2国民役(兵役の一区分)に配分した慣行も2010年からなくした。これに伴い現在300人余りの多文化将兵が軍服務中だ。
◆作家団体も“民族”単語を放棄
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時期だった2007年には多文化学生の急増を考慮して「国旗に対する誓い」から“民族”という表現を抜いた。「祖国と民族の絶え間ない栄光のために」という部分が「正義ある大韓民国の絶え間ない栄光のために」に変わったのだ。進歩的文人が生み出される場の「民族文学作家会議」も同年、「団体名に入っている“民族”という表現のために、外国ではファシズム団体、国内では左派団体と誤解を受けている」という理由で「韓国作家会議」に改名した。
民族概念の退潮は、国民の変化した意識にもあらわれている。2010年東アジア研究院(EAI)が実施した「韓国人のアイデンティティ」調査によれば「真の韓国人になるための条件」を尋ねる複数回答型の質問に「大韓民国の国籍維持」が1位(89.4%)を占めた。“血統”という回答は84.1%だったが最下位の7位を記録した。
2005年、この研究院の同じ調査で“血統“は4位だったが、5年で3階段下がったのだ。また、自身のアイデンティティを尋ねた質問では「大韓民国国民」(83.8%)という回答が「韓民族」(67.6%)を上回った。「韓国は単一民族国家の代わりに多民族・多文化国家にならなければならない」という回答も60.6%に達した。「私たちの歴史で最も誇らしい国」を尋ねた質問でも「大韓民国」(29.2%)が「高句麗」(30.4%)に続き2位に上がった。5年前の調査結果(高句麗33.7%、大韓民国24.6%)と比較すると大韓民国に対する自負心が相当高まったことになる。
北朝鮮と統一に対する認識の変化も、民族概念の弱化を見せている。2010年のEAI調査で「南北は別個の独立国家」という回答が80.5%に達した。5年前に比べて2.8ポイント高まった数値だ。「大韓民国の領土の範囲はどこまでか」という質問にも「韓国」との回答比率が48.6%に達した。5年前(25.2%)に比べて倍近く高まったのだ。特に20代は57.4%が「韓国だけが大韓民国の領土」と答えた。
また、ソウル大学統一平和研究院の統一意識調査によれば「統一が必要だ」という回答は2007年の63.8%から昨年は54.8%に減少した一方、「統一は必要ない」という回答は、同期間で15.1%から23.7%に増えた。
ソウル大学のカン・ウォンテク教授(政治学)は「統一が必要なのかという質問は『人は両親に親孝行すべきか』のような非常に規範的な質問であることを勘案すれば、『必要ない』と考える人は調査結果よりもさらに多いと見るべきだ」と指摘した。さらに「今では血縁や北朝鮮との一体感に基づいた漠然で曖昧とした民族主義から、具体的・近代的属性を内包する韓国だけの『大韓民国民族主義』が明確になってきた」と分析した。
(中央SUNDAY第366号)
国民の89%「韓国人の条件は国籍」…変化する韓国の民族主義(2)
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