朴槿恵（パク・クネ）大統領が来月発足する統一準備委員会の委員長を引き受けると、青瓦台（チョンワデ、大統領府）が１４日発表した。朴大統領がこの委員会を直接掌握するのは、国政課題である統一基盤構築作業に弾みをつけるという意志とみられる。これを受け、委員会に力が注がれることになった。憲法機関である民主平和統一諮問会議や統一部との業務重複問題も減らせる。

青瓦台が明らかにした統一準備委の役割と機能は包括的だ。統一の準備のための基本方向提示、分野別課題の発掘・研究、政府・社会団体・研究機関の協力、統一に対する社会的合意の促進などをすべて含んでいる。委員会は分科委を置き、５０人以内の政府関係者・民間人で構成され、官民から各１人ずつ副委員長を決める。大統領直属のマンモス級委員会が政府－社会団体－研究機関などを網羅し、統一の準備のために協力するのは望ましい。その間、複数の分野の一線で北朝鮮と接触、討論してきた民間団体の専門的経験とノウハウが、好発進の基礎になると考えられるからだ。実際、過去６年間の南北間公式接触で深い対話はほとんどなかった。

焦点はもう人選問題だ。統一準備委の成功を担保するうえで最も重要なのが超党派的な人選だ。野党とともに合理的な進歩の人物まで含めてこそ、この委員会が政権に関係なく、統一を準備する持続可能な制度的枠組みとして定着するだろう。キム・ハンギル民主党代表も先月、政権が交代しても変わらない統一時代準備委員会の構成を提案した。朴大統領が野党に手を差し出さない理由も、また、野党がその手を握らない理由もないはずだ。


韓半島（朝鮮半島）“百年大計”である統一問題は、一つの政権の専有物になっても、政略的レベルでアプローチしてもならない。ドイツがこうした教訓を語っている。ドイツ統一は、進歩・保守政権に関係なく一貫して対東ドイツ統一・人道政策を推進してきた歴代西ドイツ政権の努力の結晶だ。ドイツ統一は突然実現したのではなく、長期にわたり着実に進めてきたものだ。我々も与野党が一緒に進んでいかなければいけない。そうでなければ国際社会を説得するのは難しく、我々の統一基盤構築外交も力を得られないだろう。

超党派的な委員会構成は統一の青写真に対する国民的な合意の基礎でもある。韓国の統一談論スペクトラムは非常に広い。しかも統一結果論ばかりで、方法論はほとんど空白で残っている。統一準備委が代表性を備え、検証を受けた超党派人物で構成されてこそ、実事求是統一論の溶鉱炉になることができる。国民の意見が反映されない統一の青写真は実践力を持たない。その延長線上で何よりも重要なのが民間副委員長の人選だ。各分科委の業務を調整しながらも、統一議論が神学論争式に流れないよう求心的な役割を果たさなければならないからだ。統一の器は統一準備委の超党派人選から始まる。