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【取材日記】日本の歴史歪曲に埋もれた北朝鮮の人権

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「国民を気持ちをすっきりさせた」。5日にスイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会高官級会議で尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官が日本に向けて発言した後、外交部の掲示板に書き込まれた称賛のコメントだ。

7日に尹長官が帰国して以降、外交部は自信の表情だ。「国際社会の共感を引き出した」という自負心を帯びた評価も出ている。

実際、尹長官の発言の直後も外交部はジュネーブに注視し、緊張を解くことができなかった。日本側の反論権(Right of Reply)行使が6日に予定されていたからだ。外交部は2度にわたる日本と韓国の反論・再反論過程を終えた後、ようやく一息ついた。


現場の雰囲気を考えれば、ある程度は納得できる。北朝鮮の徐世平(ソ・セピョン)ジュネーブ代表部大使が「日本は強制徴用、慰安婦を認めず、補償もせず、むしろ侵略と人権じゅうりんの過去の歴史を美化したり正当化しようとしている」と韓国を援護し、中国も日本の政治家の態度を批判した。尹長官がオランダ出身豪州人女性オヘルンさんの慰安婦被害事例に言及したことに対し、オランダ代表までが謝意を伝えた。

しかし何か足りない。尹長官は演説の半分を日本軍慰安婦問題に使った。残りの3分の1が北朝鮮人権調査委員会(COI)の報告書だった。「北で人権侵害被害者の生きた証言を収録したCOIの報告書は、北の人権問題に関する歴史的な道しるべになるだろう」という尹長官の言葉は、日本に向けた公憤に埋もれた。外交部も今は北朝鮮の人権は忘れ、日本だけを記憶している。

現在進行形の北朝鮮の人権じゅうりん問題は日本軍慰安婦問題ほど緊急な懸案だ。尹長官が述べたようにCOIの最終報告書が出てきた今こそ、国際社会が北朝鮮人権にフォーカスを合わせる時だ。北朝鮮は日本軍慰安婦問題では友軍だったが、COIを西欧国家の「マリオネット」(操り人形)に例えて人権侵害を否定した。

尹長官は帰国したが、第25回国連人権理事会は28日まで続く。17日にはCOI報告書について集中的に議論する。371ページにのぼるCOI報告書は▼北朝鮮政権の国際刑事裁判所(ICC)提訴▼国際社会の保護責任▼国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に後続事務所設置--など、北朝鮮人権問題の変曲点となる内容がある。残りの期間、北朝鮮人権改善の土台を固めなければならない。「北朝鮮の人権に対する韓国の無関心に失望した」(昨年11月)というマイケル・カービーCOI委員長の叱責が間違っていることを示す必要がある。

チョン・ウォンヨプ政治国際部門記者



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