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改革か支持率か、岐路に立つ安倍首相…構造改革の「毒杯」盛るか(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
「安倍晋三首相は確信に満ちた人だ。そんな彼も今回だけは心が揺れただろう」。日本の昨年の10-12月期の経済成長率が発表された17日、フィナンシャルタイムズ(FT)の記事の冒頭はこのようだった。安倍首相だけではなかった。アベノミクスに向けた世界市場の信頼も共に揺れた。先週、アベノミクスが2回もみじめな成績表を受け取った。昨年10-12月期の国内総生産(GDP)は前四半期より0.3%の成長にとどまった。その翌日には1月の貿易収支赤字(2兆7900億円)が史上最大だという発表が出てきた。安倍首相の就任直後に4.8%の成長率(昨年1-3月期)を記録した時でさえ「日本の最後のチャンス」(ニューヨークタイムズ)という賛辞を受けたアベノミクス。しかしすでに大きな暗雲が立ち込めている。

「日本銀行(BOJ)の輪転機を回してでも物価上昇率を2%に引き上げる」。

総選挙を1カ月後に予定していた2012年11月、安倍首相候補が爆弾宣言をした。年1%だったBOJの物価上昇率の目標値を2%に引き上げるためならば、無制限に金融緩和するという宣戦布告であった。「ヘリコプターでお金をばらまいても景気を生き返らせる」と公言して『ヘリコプターベン』と呼ばれたベン・バーナンキ前連邦準備制度(Fed)議長のように、彼には『輪転機の安倍』というニックネームがついた。「アベノミクス」という新造語が誕生したのもこの時だ。


円高を招いた1985年のプラザ合意以後、日本は20年間、低物価の泥沼をさ迷った。物価が底なしに下落すると企業は投資を中断し、家計は財布を閉ざした。縮小指向の悪循環から脱出するためにはデフレーションの鎖を断ち切ることが急務だった。

アベノミクスがデフレーションを最初の標的としたところには政治的策略も隠れていた。韓国経済研究院のオ・ジョングン招へい研究員は「経済は2番目の問題だ。うつ病になった日本国民の士気を上げることが『デフレ打倒』の本当の目的」と説明した。長期停滞により日本国民の自信は底まで落ちた。仕事を探せない若者たちは「フリーター」「ニート族」「引きこもり」などの新造語を量産するほど意欲を失った。弱り目にたたり目で、退屈な雰囲気を打破する政治指導者もいなかった。2006年、小泉純一郎元首相が退いて以降、日本の首相は7回交代させられた。「道が見えない」という絶望の中で強力なリーダーシップを前面に出した安倍首相が現れたのだ。オ・ジョングン研究員は「日本国民は今回が最後の機会だと考えている」として「安倍首相が最近、国粋主義的発言をはばからない理由も、強力なリーダーシップを土台に日本国民の劣等感・疎外感を払いのけようとする努力の一環」と分析した。

デフレとの戦いという観点で見れば、アベノミクスはある程度の成果を上げたと思われる。昨年12月に日本の消費者物価上昇率は前年同月より1.6%上がった。昨年3月だけでもマイナス0.9%のデフレに陥っていた日本だ。積極的な通貨・財政政策というアベノミクスの最初と2本目の矢は、標的にまともに向かったことになる。相次ぐ妄言にも安倍首相の支持率が少しも動じないのを見れば、国内政治的にも大きな効果があったものと見られる。

(中央SUNDAY第363号)



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