西大門刑務所をユネスコ世界遺産として登録するための市民の会が発足する。民族問題研究所は１９日「２３日、６月民主抗争継承事業会・国民有功者遺族会など５０余りの市民団体とともに発足式を行い、当日のシンポジウムを始め国民認識の向上キャンペーンを始める」と明らかにした。日本の広島原爆ドームやポーランドのアウシュビッツ収容所など第２次世界大戦関連の世界文化遺産はあるが、日帝強制占領期間の文化財の登録推進は初めてだ。

企画委員として参加しているオム・スンヨン文化資源振興院理事長は「独立活動家の生家や遺品などをまとめて登録を推進する案も検討中」と明らかにした。

市民も歓迎する様子だ。１９４４年に西大門刑務所で監獄の苦しみを体験したチョ・ソングクさん（９０）は「日本の巡査は韓国の人を人間扱いもしなかったし言葉では説明できないほど虐待した」として「恥ずかしい歴史だが、きちんと伝えるべきだ」と話した。


今回のキャンペーン推進には最近、右傾化が目立っている日本の歴史わい曲に強硬対応すべきだという声が一役買った。日本は先月、強制徴用の象徴である端島（軍艦島）を世界文化遺産への登録申請をしたのに続き、神風特攻隊員の手紙３３３点を集めて来年にも世界記憶遺産の登録を推進すると明らかにした。これに対してイ・ジュンシク延世（ヨンセ）大学研究教授は「戦争犯罪に対する反省が全くない状態で加害者を被害者に変身させる政治的ショー」と批判した。

◆今後の手続き＝市民会側は早ければ９月にソウル市に登録申請要請をする計画だ。すると市は検討後に妥当性が認められれば文化財庁に申込書類を提出し、文化財庁はこれを土台に審議を経て暫定目録に含めるかどうかを決める。文化財庁は暫定目録に載って１年が過ぎた文化・自然遺産を毎年１月に１件ずつ選定してユネスコに登録申請をする。現在、文化遺産１４件、自然遺産４件が登録申請を待っている。



金九・柳寛順が収監された西大門刑務所「ユネスコ世界遺産に」（１）