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【コラム】バレンタイン、安重根そして聖水大橋

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2月14日は安重根義士の死刑宣告日だ。彼は104年前の1910年のこの日に死刑を言い渡された。

この史実がバレンタインデーを迎えて新たに広がっている。先月、中国のハルビン駅に「安重根義士記念館」ができて以降、安義士への関心が高まったおかげだろう。京畿道(キョンギド)教育庁もバレンタインデーが安義士の死刑宣告日であることを知らせる広告を最近、日刊紙に出した。恥ずかしい告白だが、この日が特別な日であることを広告を見て知った。

きまり悪い気持ちで検索してみると、バレンタインデーと安義士の死刑宣告日が重なるというのはインターネットで簡単に見つけられた。それでもこれを知らなかったことに反省をすることになる。昨年、世間を騒がせた高校の韓国史教科書8種は安義士についてどれくらい記しているだろうか。教科書を調べたところ、たった1文で終わった教科書が5種にもなった。「安義士が伊藤博文に報復した」という基礎的な事実程度だ。生徒の大多数が2月14日をチョコレートをやりとりする日とだけ知っているのは、大人たちの責任が大きい。


ウィキペディア百科によれば「バレンタインデー=チョコレートをあげる日」という広告は1936年に日本の神戸のある製菓業者が初めて出した。偶然にも神戸は2006年に取材のため訪れたことのある街だ。当時、強い記憶に残っていたのは1995年の阪神・淡路大震災関連の跡だった。「神戸港震災記念公園」には当時に落下したコンクリート構造物、傾いた街灯がそのまま保存されていた。大震災の痛みと克服を記録した「人と防災未来センター」では高架道路・建物などが崩れ落ちる場面を入れた当時のCCTV画像を放映していた。

取材中に聖水(ソンス)大橋を思い出して胸が苦しかった。自然災害である神戸の大震災と違い、聖水大橋の惨事は人災であった。平日の朝に橋が崩れて出勤途中だった市民32人が犠牲になった。主犯は韓国社会の不十分な施設管理であった。犠牲者の大多数は登校中の舞鶴(ムハク)女子高の生徒たちだった。いつまでも忘れずに反省しなければならない歴史だ。

それでも韓国社会は聖水大橋の惨事をしっかり覚えておこうとしない。惨事を記憶する構造物は高さ4.5メートルの「犠牲者慰霊碑」が唯一だ。これさえも、どこにあるのか知っている人は珍しい。探すのが難しい上に、行きにくい場所にあるからだ。慰霊碑は自動車専用道路である江辺(カンビョン)北路の上に設置されている。駐車場があるが、数年のうちに入口が大型植木鉢でさえぎられている。慰霊碑の駐車場で成人用品の販売車両が営業中という放送局の報道を見たことがある。管轄区庁で管理が大変だから最初から駐車場を遮ったのだろうか。

ありのままの歴史を教えなければならない。痛恨の歴史であるほどより一層そうだ。恥ずかしい過去だからと抜かしてもいけない。日帝時代の反倫理的犯罪を覆ってしまおうとする日本の右翼の人々が肝に銘じる部分だ。聖水大橋惨事を遠い過去のことと目をそらしたがる私たちも決して忘れてはならない。聖水大橋の惨事は1994年10月21日に発生した。今年は聖水大橋惨事20周年になる年だ。

ソン・シユン社会部門記者



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