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【社説】韓国高校の教科書選択、2321対1の現実

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
全国の高校2322校のうち釜山ブソン高が唯一、教学社発行の国史教科書を選択した。同校のシン・ヒョンチョル校長は「首に刃先を向けられても国を守るべきだという決断で教学社の教科書を採択した」と伝えた。教育部の検定合格判定を受けた8つの教科書のうちどれを採択するかは学校が自律的に決めるのが正常だが、首に刃先を向けられるのを恐れなければならないのが韓国の学校が直面している現実だ。

教学社の教科書はまだ発行されていない時期から、「金九(キム・グ)はテロリスト、柳寛順(ユ・グァンスン)は女性暴力団員と記述されている」(民主党のペ・ジェジョン議員)という根拠のない攻撃を受けた。全教組はこの教科書を採択しようとしたサンサン高などに対し「ゴミと汚物はあえて体験しなければ分からないものではない」と非難を浴びせたりもした。教育部の調査によると、教学社の教科書を採択しようとしていた学校には、外部の人が侵入し、「親日派」と大声を叫びながら暴れた事件もあったという。

教科書に誤りがあるのなら修正を要求すればよい。学校は政府の検定合格判定を信じて教科書を選択するだけだ。ブソン高は歴史担当教師で構成された教科協議会、保護者も参加した学校運営委員会などの審議を経て、教学社の教科書を選択した。このように学校は誰の妨害も受けずに教科書を選択する権利を持つ。これが検定体制が保障する核心価値だ。


全教組をはじめとする一部の団体は教学社の教科書採択率0%を目標にしながら、この教科書を採択しようとする学校に団体で押しかけ、「親日学校」云々しながら採択を防いだ。団体関係者は助言・勧告だったと主張する。しかし検定体制が保障する多様性の価値を崩そうという反民主的なものではなかったか省みる必要がある。

民主社会で2321対1は正常でない。自由な選択が不可能な状況で見られる非正常的な比率だ。教育部は教科書採択過程で表れた非正常を急いで正常化しなければならない。出版社と著者が事実の誤りがない教科書を出すよう検定過程を徹底し、学校がいかなる教科書を選択しても命に脅威を感じることがないよう外圧防止対策も立てなければならない。



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