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「韓国の個人情報流出事件の原因は人権意識がなかったせい」…米人権弁護士

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

米国の人権活動家で弁護士のマット・ダニエルズ氏(50)

「カード会社の個人情報流出事態の原因はシステムにあるのではない。人権意識が足りないから発生したのだ」。 

米国の人権活動家で弁護士のマット・ダニエルズ氏(50)は、今回のカード会社の個人情報流出事件をこのように定義した。韓国の人権状況研究調査のため訪韓したダニエルズ氏は、米国で人権問題を扱う非政府組織(NGO)「グッド・オブ・オール」を率いる。

23日に記者と会ったダニエルズ氏は「個人情報流出の被害にあった消費者は情報を盗まれたのではなく、人権をじゅうりんされた」と述べ、今回の事件の本質は人権問題だと強調した。


--なぜ今回の事件が人権問題なのか。

「企業家らが消費者を同等な人格を持つ主体と考えていれば、このように個人情報を要求できただろうか。消費者を好き勝手に利用してもかまわない手段(means to serve me)または人格が欠如した客体と見ているのだ。消費者の情報をどのように扱ってもかまわないモノのように考えているために生じた」

--人権意識不在の理由は何か。

「韓国は共同体意識が強い伝統を持つ。集団の連帯感が強く、権威を尊重する傾向がある。これ自体は良い慣習であり、法的な枠がよく整っていればうまく作動する。ところが企業がまさにこうした意識を乱用(abuse)したのだ」

ダニエルズ氏はこうした企業の横暴は過去の独裁政権とメカニズムが同じだと説明した。権威主義体制ではお金と力を持つ者が貧しい者を略奪したとすれば、今の情報化社会では多くの情報とこれを活用する能力がある企業が個人情報露出の危険に脆弱な消費者を利用し、利益を得るということだ。

そして1948年に制定された国連の「世界人権宣言」を取り上げた。「何人も、自己の私事、家族、家庭もしくは通信に対して、ほしいままに干渉され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。人はすべて、このような干渉又は攻撃に対して法の保護を受ける権利を有する」(憲章12条)という条目を吟味する必要があると述べた。

ダニエルズ氏が韓国の人権問題に注目する理由が気になった。「韓国は“炭鉱のカナリア”であるため」という回答だった。「炭鉱のカナリア」という表現は、かつて鉱夫が坑道に入る前、カナリアを利用して有毒ガスの流出有無を判断したところから生じた。

--なぜ韓国がカナリアなのか。

「デジタル時代に入り、大衆が享受できる自由は拡張したが、人権を保護すべき法制度はこれに追いついていない。韓国はデジタルリーダーであるため、その格差はさらに大きい。したがって今回の事件を韓国がどう処理するかが、世界のロールモデルとなる可能性がある」

--解決策は。

「結局、大衆が動かなければいけない。悪徳企業がどこかを取り上げる過程が必要だ。政府も不必要な個人情報収集を法で禁止し、これを違反すれば巨額の罰金を支払わせるなどの装置を用意しなければいけない」

ニューヨークのハーレム街で育ったダニエルズ氏はダートマス大学を卒業し、ペンシルべニア大ロースクール、行政学修・博士を経て弁護士になった。昨年「グッド・オブ・オール」を設立し、大衆のための人権教育などに力を注いでいる。



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