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世界2兆ドル「ムスリム市場」…日本など先争い進出、韓国は…(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

昨年4月、アラブ首長国連邦で開かれたハラールミドルイースト展示会で現地の人たちが韓国企業の食品を味わっていた。(写真=社団法人ハラール協会)

世界最大の食品企業であるスイスのネスレ。先進国市場が飽和状態に達すると1980年代からはイスラム圏に目を向けた。今は販売製品の50%が「ハラール食品」だ。「ハラール(Halal)」は「法的に許された」という意味のアラビア語だ。イスラム教の律法であるシャリーア(Shariah)が許容した方式で加工された食品をいう。例えばシャリーアが許容した鶏でも、屠殺方法によってはハラール食品とは認められない場合もある。鶏を殺す時に「神の名で」と唱えた後に一振りで静脈を切って屠殺しなければハラール食品とは認定されないからだ。屠殺者がムスリムではなかったり、屠殺前にすでに死んだりした状態でもいけない。食材料や屠殺法などが難しいにもかかわらず産業界が注目する理由は、ハラール食品の市場規模のためだ。市場調査機関のユーロモニターによれば、世界のハラール商品市場の規模は2兆1000億ドル(約2223兆ウォン)と推算されている。

ソウル梨泰院(イテウォン)のイスラム寺院前の商店街。あちこちで「ハラール」の単語が目につく。近隣のマートにもハラール認証マークがある缶詰め・菓子などの加工食品が並んでいる。食堂も同じだ。パキスタン飲食店に入ると、壁には鮮明に「ハラール」の表示が張ってある。キム・サンムクKOTRAクアラルンプール貿易館長は「ムスリムの所得水準が高まり、ハラール食品の安全性への信頼が大きくなる中で市場が急成長している」と説明した。

◆「安全な」食品望む非ムスリムまで関心


ムスリム諸国の購買力が大きくなっていることも企業には好材料だ。例えば1990~2010年のムスリムの1人あたり国内総生産(GDP)は年平均6.8%ずつ成長した。全世界の平均(5%)を上回った。消費水準が高まった上にムスリム人口も毎年1.8%ずつ増加している。2030年には全世界の人口の27%以上をムスリムが占めるだろうという展望もある。その上、ムスリム国家の大部分は食糧を輸入に依存している。非ムスリムの中でもハラール食品を探す需要まで加わった。食品の安全性を計るようにする「危険要素重点管理基準(HACCP)」に次ぐほど「安全な」食品だという認識が拡大しているのだ。最近では食品以外に医薬品・化粧品などへも領域を広げている。飲食品部門が全体の68%とハラール産業の中枢をなしているが、医薬品(23%)や化粧品(9%)なども急成長している。

◆世界的食品企業、ハラール市場を先行獲得

ネスレは1980年代からハラール専門担当部署を作った。マレーシア・インドネシア・トルコを3大ムスリム市場に選び、マレーシアをハラール食品のグローバル研究および生産拠点とした。マレーシアは全体人口でムスリム人口の比重が61%に達する。ハラール食品に対する関心も格別だ。2010年から「東南アジアのハラールのハブ」を自任してハラールパークを運営している。外国企業がハラールパークに進出すれば10年間、法廷所得額の全額について税金を免除したり投資全額に対して5年間の投資税控除をしたりしている。おかげでコカコーラ・P&Gなどグローバル大企業が東南アジア市場の拠点として活用している。中国・日本・フランスなどの巨大食品企業もハラール産業に先を争って進出している。特に日本は、230社がハラール食品生産を推進しており、このうち3企業はマレーシア現地工場を設立してハラール認証食材料および魚肉加工製品などを生産する予定だ。

(中央SUNDAY第357号)



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