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【コラム】世界の中のK-POP、回顧と期待(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
先月、故郷であるカナダのトロントに行ってきたが、新しくオープンした近所のパン屋の名前が「Mirotic」だった。スペインのバスケット選手の名前ではなく、東方神起の歌の題名からとった名前だとのことだ。歌手PSY(サイ)の『江南(カンナム)スタイル』が世界を席巻して18カ月が過ぎた。『江南スタイル』は誰もがたやすく予測できなかったやり方でK-POPを世界に知らしめた。私のようにK-POP関連の仕事をする者としては当然、ものすごいことだった。

過去には私が「K-POPについて文を書く者です」と自己紹介すれば、大部分は戸惑った表情になった。一部の大ファンを除いてK-POPは特別な意味を持てなかった。そんな中で登場したのがPSYだった。

私にとってPSYは特に差別化された歌手ではなかった。だがK-POPについて記事や本を書いてくれとか講義をしてほしいという要請は急激に増えた。人々は私に「PSYと友人ですか?」と尋ねたりした。「違う」と答えると彼らは失望感を隠さなかった。


昨年はK-POPにおいて特別な年であった。PSYの『ジェントルマン』がYouTube(ユーチューブ)で6億回のクリック数を記録して史上7番目に人気の高いプロモーションビデオとして登場したが、不思議に多くの人は『ジェントルマン』を残念だといった。販売高では『江南スタイル』が『ジェントルマン』を抑えた。そして『江南スタイル』と『ジェントルマン』(2位)に続き、BIGBANGの『FANTASTIC BABY』は2012年の歌なのに3位だった。G-DRAGONのアルバム『COUP D’E TAT』はビルボード選定アルバムのチャート200ラインに入ったが順位は182位に終わった。しかしG-DRAGONはその年のワールドアーティストアルバム部門では9位を占めている。

ここでの問題点。今年のポップ音楽界の人気を代弁する当然な単語がないということだ。YouTubeのクリック数は多いがアルバムはあまり売れないということがどんな意味なのか、数百万人のファンが観客席を満たすコンサートは開けるがチャート上位にランクインできないのがどんな意味なのかを表現する方法は、ふさわしくないという話だ。

これはすなわち2014年のポップ音楽批評において、新しい文法と語彙が必要だという意だ。エルビス・プレスリーからジャスティン・ティンバーレイクまで通じていたことが、今は通じないのだ。

(中央SUNDAY第356号)



【コラム】世界の中のK-POP、回顧と期待(2)

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