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【コラム】朴槿恵政権の「非正常の正常化」(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
次に列挙するものの共通点は何だろうか。公共機関の放漫経営、交通秩序違反、葬儀社の不公正行為、高額税金の長期滞納、銀行の両建預金、保育施設の補助金不正受給、鉄道産業の不正、原発の不正、修学能力試験(日本のセンター試験に相当)後の形式的な授業慣行。見るからに何か間違っていて歪んだものだ。法を違反するのもあり、法違反ではないが常識から外れたり不合理な慣行もある。国務総理室によると、これらはすべて“非正常”なものだ。非正常はその定義からして、何か正常でないことだ。従って正常に戻しておくのがよいようだ。

ついに政府はこうした非正常なものを正常に戻すことを国政運営の核心課題とするに至った。名付けて「非正常の正常化」だ。国務調整室は10日の国務会議で、「非正常の正常化推進計画」を報告し、これを政府全体レベルで推進すると述べた。非正常なものを正常な状態で変えておかなくては、国政目標の意味ある成果を出せないということだ。

実際、「非正常の正常化」は朴槿恵(パク・クネ)大統領が強調してきたことだ。朴大統領は6月の青瓦台(チョンワデ、大統領府)首席秘書官会議で「新政権の改革を一言で定義するなら、非正常な慣行を正常化すること」と述べ、8月15日の祝辞や施政演説などでも「非正常の正常化」に言及した。


その契機は原発不正と相次ぐ原発事故だった。公企業である韓国水力原子力の納品不正と放漫な経営形態が次々と明るみに出る中で、原発の稼働が中断し、夏の電力不足に対する懸念が強まった。国民の不満は爆発寸前まで膨らみ、政府に対する信頼は失墜した。朴槿恵政権としては、社会全般に蔓延した不正の慣行を根絶しなければ、いかなる政策も成果を十分に得られないという危機感を抱かざるを得なかっただろう。公共機関の改革を筆頭に「非正常の正常化」に乗り出すことになった背景だ。

大々的な負債縮小と放漫な経営形態の清算を前面に出した公共機関の改革は、こうした流れで出てきた。広義の政府に含まれる公共機関から骨身を削る努力を見せてこそ、社会全般の非正常的な慣行の「正常化」に取り組めるという計算だ。一種の「自害恐喝性」改革意志の表現だ。自分の体の悪性部位からえぐり出す模範を見せてこそ、他の既得権層の犠牲と苦痛を要求できるということだ。すべての不正、非正常的な慣行には、そこから利益を得る根深い既得権勢力があり、その既得権を手放せという要求には抵抗が激しくなるしかない。



【コラム】朴槿恵政権の「非正常の正常化」(2)

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