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本の中傷メモ、映画チケット大量キャンセル…イデオロギー攻勢装う“バンダリズム”=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

1日、ソウル上渓洞(サンゲドン)のN書店に陳列された小説家イ・ウェス氏の新刊(『心から、気持ちで』)の上に置かれていたメッセージの紙切れ。右側は映画『弁護人』に対する星評価テロを促す掲示板サイトの「日刊ベスト貯蔵所(イルベ)」の掲示文キャプチャー画面。

「婚外子でも世話して反省しろ。老いてみだらな老親め」。

今月1日午後、ソウル蘆原区上渓洞(ノウォング・サンゲドン)のN書店でこのようなメッセージの紙切れが発見された。小説家イ・ウェス氏の新刊『心から、気持ちで』の表紙の上にあった。同日、鄭東泳(チョン・ドンヨン、元統一部長官)民主党常任顧問が書いた本『10年後の統一』の上にも似たような中傷メッセージの紙切れが置かれていた。

最近、N書店はこうした「メッセージテロ」で疲弊している。始まりは10月中旬だった。柳時敏(ユ・シミン)元保健福祉部長官が書いた『盧武鉉(ノ・ムヒョン)、金正日(キム・ジョンイル)の246分』という本から、故・盧武鉉元大統領と柳元長官を非難する内容のメッセージが発見された。以後1~2週間隔で似たような内容のメッセージが相次いで登場した。主に進歩指向の政治家・教授が書いた本が対象になった。最近では文在寅(ムン・ジェイン)民主党議員の新刊『1219終わりが始まりだ』にも悪口に近い内容が書かれたメッセージが挟まっていた。


書店側はおそらく20代男性の客の仕業と疑っている。この男性が売り場に現れるたびに似たようなメッセージが発見された。2カ月で7~8件にもなる。N書店の関係者は「現場で取り押さえられたら今後売り場に入ってこられないよう措置するつもり」と話した。

サイバー上で無差別的に加えられた「理念テロ」が、書店や映画館などオフライン空間にも広まっている。保守指向のイルベや進歩指向の「今日のユーモア」などオンラインサイトで広がった「理念舌戦」が、実生活空間まで食い込んできたのだ。

会社員キム・スヒョン氏(30)は10月頃、鍾路(チョンノ)のある大型書店で文在寅議員の『運命』を購入して「こんな本を読むな」という内容のメッセージを発見した。恩平区(ウンピョング)のY書店の店員チョン・ドシン氏(31)も「1年に2、3回ほど、お客さんが進歩派の要人をののしる内容のメッセージが挟まった本を発見して持ってくる」と話した。

劇場街はいわゆる「チケットテロ」に頭を痛めている。最近、一部の観客がチケットをあらかじめ買い占めた後に上映直前に払い戻しをする事件が発生した。ほかの観客が映画を見られないようにするためだ。今年10月、ある観客は兵役拒否問題などを扱った映画『ある視線(If You Were Me 6)』のチケットを約30枚ずつ4回購入して2度に渡り上映直前にキャンセルした。

最近では故・盧武鉉元大統領を素材にした映画『弁護人』がチケットテロにあったという騒ぎも起きた。23日、ある映画サイトでは「21、22日の2日間に『弁護人』のチケットを大量購入した人が映画上映直前に払い戻しすることが10回余り発生した」という主張が提起された。CGV側は「そんなことは確認されていない」として「今年10月の『ある視線』チケット買い占め事件以後、1人あたり8枚以上の前売りができないよう措置した」と明らかにした。

最近、イルベなど保守サイトを中心にサイバー上の「政治テロ」を現実空間に拡大しようとする動きが明確になっている。一部のイルベ会員たちは実際に大学街を訪ねて回り、最近話題になった「平穏ですか」のチラシを破って認証ショットを掲載した。5月には、あるイルベ会員が英国のエディンバラ大学図書館の湖南(ホナム)地域の関連本に「5・18(民主化運動)は銃器を持って立ち上がった暴動」と落書きした後、認証ショットを上げた。

ソウル大学言論情報学科のイ・ジェヒョン教授は「こうした現象は、自身とは違う指向の文化・芸術を破壊しようとする一種の『バンダリズム』であり、主に極右の人々から現れる」として「一部極右指向のネットユーザーが注目を引くためにオフライン空間まで活動領域を広げようとしているようだ」と話した。



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