イラスト=カン・イルグ。
ロッドマン氏の今回の北朝鮮訪問は、元NBAバスケット選手との親善試合を行う北朝鮮バスケットボール国家代表チームの選抜を手伝うためであった。この試合は来月の金正恩の31回目の誕生日を迎えて平壌(ピョンヤン)で開く予定だ。予想されていたことだが、この元NBAスターが世界最悪の独裁者と友人になるという「政治的現実」を認めることを拒否する流れがある。一部のメディアは自分の実利だけを求めて冷淡さすら感じるとしてロッドマン氏の行動を非難した。これに対してロッドマン氏は、北朝鮮に1年以上抑留された(韓国系米国人の)キリスト教宣教師ケネス・ペ氏の問題や北朝鮮の核の野望のようなものは、自分ではなくオバマ米国大統領が扱うことだという反応を見せた。こうした問題に関連した彼の唯一のメッセージは「オバマが金正恩を招待しなければならない」ということだけだった。
この奇妙なカップルが、お互いに利用しているという事実は明らかだ。ロッドマン氏は、自身と、自身を後援するアイルランドのブックメーカーであるパディパワーの広報効果を狙った。北朝鮮労働党の党大会の最中に自身の叔母の夫・張成沢(チャン・ソンテク)を引き出して残酷に処刑してからまだ1週間しか経っていない金正恩は、自信と掌握力を誇示することを願う。だがロッドマン氏が北朝鮮に行くことが本当にそんなに悪いことなのか?ワシントンの報道機関や専門家共同体に属する私の友人の多くは、このような疑問を鼻でせせら笑うだろう。だが私は真剣に考えて、それが利益になることだと見ている。
まず、私たちはロッドマン氏の北朝鮮訪問によって不透明な北朝鮮最高指導者について知るようになった。ロッドマン氏よりも金正恩と長い時間を共に過ごした米国人はいない。HBO(米国ケーブルチャネル)で放映したドキュメンタリーで、金正恩とロッドマン氏が一緒にいる場面は、恐らく私たちが知っているこの若い指導者に対する最も生々しい映像記録であろう。ロッドマン氏の北朝鮮訪問によって私たちは、金正恩に娘がいるという事実も分かった(さらには娘の名前まで公開した)。
私たちはまた、北朝鮮の金桂寛(キム・ケグァン)外務次官の元6カ国協議首席代表の地位がその間に非常に上がったという事実も知り得た。ロッドマン氏の前回の北朝鮮訪問期間中、訪問団が示範バスケットボール試合を見守っている時に金桂寛外務次官が金正恩と非常に近い場所に座っているのを確認できたからだ。西欧はすでに以前からこうした一部分の情報を感知することはしたが、ロッドマン氏の北朝鮮訪問はこれら全てを私たちに明確に確認させてくれた。
【コラム】ロッドマン氏の北朝鮮訪問が悪いばかりではない理由(2)
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